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2012年10月20日 (土)

サムソンの戦略的マネジメント/片山修

Photo 「サムスンでは、上司が朝6時半に出社するから、自分も6時半に出社するとか、上司が土日も出勤して働いているから、自分も土日に出勤するとかいう話を聞くことがあります。サムスンの社員は、その働き方についていく。かつての日本の猛烈サラリーマンを彷彿とさせますが、いまの日本人にそんな働き方ができるのでしょうか。おそらくムリでしょうね。
しかし、それ以前の問題として、いまの日本企業に、サムスンと同じ働き方をする必要があるのかどうか…」
 日本企業は、現在、業績が振るわない。右肩上がりの昇給は過去の話だ。前述したように、役員報酬を見ても、韓国に比べると断然低いといわれている。
しかし、それでも、日本に留学したり、キャリアを築く過程において日本で生活した韓国人のなかには、このまま日本に残りたいという人が少なくない。なぜか。
韓国は、競争が厳しすぎる、テンションが高すぎて生きづらいというのだ。
日本は、韓国のような急速な経済成長はもはや期待できないが、成熟社会を迎え、韓国に比較して、社会的なテンションは緩い。

サムソンはどうしてあんなに強いのか?

日本企業とどこがどのように違うのか?

そんなことを考えながら本書を読んでみた。

サムソンが躍進したのは、もちろん優れた戦略があるというのも事実。

しかし、戦略は真似することができる。

事実、サムソンは日本企業の戦略を真似て成長してきた。

かつて日本でも、旧松下電器産業は、“二番手商法″の名人といわれた。

“マネシタ電器″と揶揄されたものだ。

たとえば、ソニーが夢のある新商品を開発すると、松下電器は、同じような商品を開発し、ソニーよりも安く販売するなどした。

当時、ソニーは試験台に使われたことからモルモットだといわれた。

サムスンは、日本メーカーをモルモットに、次々とデジタル版“二番手商法″で市場を奪っていった。

まさしく韓国版“マネシタ”である。

しかし、これらは戦略なので、日本企業もまた真似すればよいだけの話。

むしろ、これは日本人は真似できないだろうな、と感じたのは、そのモーレツな働き方である。

サムスンでは、入社後1年で1割、3年以内に3割弱の社員が辞めていくといわれる。

本当に優秀な人しか生き残れない。

サムスン内は猛烈なテンション社会。

超成果主義といえる。

これはサムスンに限らず、韓国企業全体にいえること。

韓国社会において、人生の最高のサクセスストーリーは、大企業のエリートとして活躍すること。

だが、それが本当に人生の成功なのか?

その働き方が幸せなのかが疑問視されつつあるという。

これまでの価値観が、揺らぎつつあるという。

超テンション社会の韓国は、多くの自殺者を生んでいる。

日本の自殺者は、98年以降、13年連続で3万人を超えたが、韓国の自殺率の高さは、割合でいえば日本を上回るとされる。

サムソンの社員はたとえて言えば「短距離走」をしているイメージ。

それに対して日本企業の社員は「長距離走」。

結果的には長い距離を走れる。

勝負は長い目で見なければわからない。

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