« サムソンの戦略的マネジメント/片山修 | トップページ | 異質のマネジメント/竹内弘高、石倉洋子 »

2012年10月21日 (日)

マクドナルドの研究

Ek0065047 日本マクドナルドというと割安な商品を提供して「デフレ下の勝ち組」というイメージがあるかもしれない。しかし、実態は異なる。「百円マック」といった低価格商品の導入を除けば、原田体制下の8年間で一度も値下げしたことがない。むしろ6回値上げしているのだ。かつて店舗の賃借料などに応じて地域別価格を導入することで話題になったが、実は値下げした店舗がなく、全店が値上げの対象になったことは有名な話だ。
 百円マックや割引キャンペーンなどで店舗に消費者を呼び込み、「ビッグマック」や過去話題になった「メガマック」など単価の高い商品の購入につなげる。こうした戦略で単価はかつてより上昇している。低価格戦略をとっているようにみせながら、単価をうまく引き上げ利益率を高めているところに同社の強さの秘密がある。

業績好調の日本マクドナルド。

本書のサブタイトルは「原田マジック〝最強〟経営の真髄」となっているが、これはマジックなどではなく、キチンとした戦略に基づくものであることがわかる。

マックというと、「安い」「早い」ということが思い浮かぶが、現在のマックは少なくとも安くはない。

原田氏は、すでに定着した「安い」というイメージをうまく利用しながら、徐々に売上単価の上昇を図っている。

気が付いたら、マックは安くなかったと消費者は後で気づく。

でも、意外とおいしかった、と新たなイメージを持つようになる。

これにより、リピート客が増える。

これが「マジック」と言われるゆえんであろう。

原田氏が2004年に社長になってからの8年は日本マクドナルドを創業した藤田田時代の企業風土の解体だった。

藤田時代は社員の誕生日には花を贈ったり、社員旅行をしたり、いわゆる家族主義の経営モデルだった。

ところが1990年代後半から既存店売上高が低下。

そのような中で社長として招かれたのが、原田氏だった。

アップルからヘッドハンティングされた事で、「マックからマックへ」と報道された。

原田氏はまず年功序列を廃止し、成果給に移行。

同時に藤田時代の役員はほぼ一掃し、米本社の支持の下、抵抗勢力を抑え込んだ。

今や原田氏のワンマン経営に揺るぎない。

日本マックの好調は、優れた経営者がいれば会社は変わるのだ、ということの証明だといえよう。

« サムソンの戦略的マネジメント/片山修 | トップページ | 異質のマネジメント/竹内弘高、石倉洋子 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: マクドナルドの研究:

« サムソンの戦略的マネジメント/片山修 | トップページ | 異質のマネジメント/竹内弘高、石倉洋子 »