孤独と不安のレッスン/鴻上尚史
「一人であること」は、じつは、苦しみでもなんでもありません。「本当の孤独」を体験した人なら分かりますが、ちゃんと一人でいられれば、その時間は、とても豊かな時間です。
「一人はみじめじゃない」と思うことができれば、一人の時間は、びっくりするぐらい豊かな時間になります。
さまざまな発見を経験する時間になるのです。
人には一人になることへの恐怖心がある。
仲間外れにされることや、シカトされること、
多くの人はこれを極端に恐れる。
もし、この恐れから解放されたなら、人間関係の多くの問題は解決するのではないだろうか。
例えばイジメの問題。
この背景に「友達のいない人は問題のある人」という価値観が蔓延していることにある。
もし、一人であることが平気であれば、逆に価値あることだと思えれば、イジメのエネルギーは半減するであろう。
一人であることはそんなに悪いことだろうか?
私たちは自分と向き合うことによって成長する。
そしてそのためには一人なる必要がある。
一人になることによって私たちは自分の深い部分と対話することができる。
孤独はそんなに悪いことではない、むしろ価値あることである。
孤独になることの意味とその価値をもう一度見直す必要があるのではないだろうか。
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