心配ぐせをなおせばすべてが思いどおりになる/齋藤茂太
「心配事の80%は起こらない」と言われているのをご存じだろうか。逆に言えば、「残りの20%は、心配した通りになってしまう」ということだが、悲観することはない。このうちの大半は、心配事をリストアップして整理し、準備を整えて対応すれば解決できるものである。
つまり、手の打ちようのない心配事というのは、ほんの数%にすぎないと見ることができる。
この数字を聞くと、「言われてみれば、そうだなぁ」と納得するのではないだろうか。実際、過ぎてみれば「あんなことに心配するほどのことではなかった」「心配して損をした」と思うことは、自分で認識しているよりずっと多いものである。
自分は心配性だという人は多くいる。
偉大な経営者として知られる松下幸之助は「心配こそ生きがい」だと断言していたそうだ。
また、ソフトバンクの孫正義は、体が弱かったことと在日韓国人であることから「日本の企業にはいっても将来はないだろう」と心配し、19歳のとき自分で会社を興す決心をしたと伝えられている。
だから、心配性であるということはよいことなのである。
人間は心配する動物だといってもよいかもしれない。
少なくとも、犬や猫は10年後のことを心配したりはしない。
また、世の中に心配する材料が多くあるのも事実。
少子高齢化、不況、年金、原発、日中問題等々、問題をあげたらきりがない。
これらに加えて日常の心配事がある。
だから心配するなと言われても無理な話しなのである。
ただ、心配するということの中に、起こりもしないことにまで心を奪われ煩わせてしまうということが含まれている。
やはり、無駄な心配はしないほうがよいだろう。
著者が言うには「心配事の80%は起こらない」という。
この数字を知っているだけでも、無駄な心配事から解放されるのではないだろうか。
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