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2012年11月 3日 (土)

部長の経営学/吉村典久

Photo 花王会長をつとめた常盤文克氏は、つぎのように述べています。
「企業の利害関係者には顧客や株主もいるが、新しい製品やサービスを創造することが経営の本質と考えると、その源泉は社員の『知』だ。社員がつくり出したものが顧客の評価を受けて、初めて株主に報いることができる。株主にとって最良のことをするという判断からは、顧客を満足させる経営は生まれない。顧客の支持を得なければ社員に報いることも無理。重視すぺき順番を反対に考えてはいけない。」

「企業は誰のものか」、ということが話題になったことがある。

商法的に考えれば、企業は株主のもの、というのが答えとなるのだろうが、

実際の企業経営は株主を第一に考えるとうまくはいかない。

顧客を第一に考えてはじめて株主にも利益をもたらすことができる。

今、顧客のニーズは多様化してきている。

その多様化してきた顧客ニーズに応えるためには、社員の『知』を引き出さなければならない。

そのために大きな役割を果たすのはミドル層、つまり部長や課長といった存在である。

本書は、この部長・課長といったミドル層の新しい使命について論じている。

時代は「作れば売れる」から、市場が成熟を迎え「作るだけでは売れない」へと変化してきている。

当然、部長や課長といったミドルに求められる役割も変化してきている。

トップの決定をたんに受けて、そして流すだけではダメ。

より主体的に、従来からの商品作りや仕事の進め方に疑問を投げかけていく。

社内常識や業界常識に囚われることなく、それらを打ち破る。

そのプロセスをつうじて、「自社のこれまでとは、まったく違った」あるいは「他社とは、まったく違った」、

ときには「お客さんの想像を超える」商品を市場に投入していく。

こうした取り組みの旗振り役として活躍することが、ミドルに求められるようになってきた、という。

ミドルにとっては非常に厳しい時代がやって来たといってよいだろう。

ただトップのいうことを忠実に下の者に実行させるという従来型のミドルは、おそらくこれからの時代、価値を失ってゆくのではないだろうか。

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