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2012年12月 1日 (土)

東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと/菅直人

Bt000019226900100101_tl 何しろ震災直後から、私のもとへは確かな情報がほとんど来なかった。こちらの指示も、現場で対応にあたっている人たちに本当に伝わっているのか分からない。何が伝わり何が伝わっていないのかも分からない。物事を判断するには、指示がしっかり当事者に伝わるか否かが大事だ。それが不明確だったので、直接確かめておきたかった。
 斑目委員長は現場を見て判断していたわけではない。福島第一原発へ行ったことはあるそうだが、何年も前の話だという。原子力安全・保安院もどこまで状況を把握しているのか、分からない。生の情報をいちばん持っているはずの東電も、現場から私に伝わるまで何人もが介入し、結局誰が判断しているのか、誰が責任者なのか、聞いても分からなかった。すべてが匿名性の中で行われていたが、吉田所長と会って、「やっと匿名で語らない人間と話しができた」という思いだった。

東電福島原発事故からもう一年半が経ったことになる。

今になって東電社内でのテレビ会議を撮影したVTRも公表されるようになってきているが、

改めて感じるのは、組織として全く機能していない東電の姿である。

特に現場の情報が意思決定をするトップに伝わらない。

現場を知らないお偉方が各々勝手に現場に口出しをする。

その指示命令も全く統一されていない。

そもそも、組織の誰が最終的な意思決定権者なのか、責任をとるのかが不明瞭。

現場は混乱する。

これが頻繁に起こっているのである。

組織として絶対やってはいけないこと、いわゆる禁じ手を次々に行なっている。

もはや組織の体をなしていない。

単なる烏合の集団である。

組織とは何なのか、を改めて考えさせられる。

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