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2012年12月 5日 (水)

人を束ねる/久米一正

1106152741 そのベースとなっているのは、日立製作所で大型コンピューターの営業として働いた経験だ。ビジネスマンとして学び、教わり、会得したことが、いま生きている。  普通のビジネスマンの仕事とプロサッカークラブのフロントの仕事に違いはない。扱う商品が違うだけで、やっていることは同じ。言い方を変えると、ビジネスマンとしての常識、仕事の手法、しきたりをしっかり身につけていないと、サッカー界でもいい仕事はできない。プロサッカー界には、そのへんがわかっていない人がいる。いくらサッカーに詳しくても、それだけではこの世界で生きていけない。

著者はJリーグのGMの仕事のベースはビジネスマン時代に身につけたという。

スポーツの世界とビジネスの世界、

一見、違う世界のように見えて、マネジメントの手法は全く同じだという。

そう言えば、ベストセラーとなった「もしドラ」も、そのことを題材にしたものだった。

スポーツの世界にビジネスの世界のマネジメントをとり入れたらどうなるのか?という物語であった。

確かに、どちらの世界も組織をマネジメントすることに大差ないのであろう。

むしろ、別物と考えて、そのよい点を取り入れようとしない姿勢の方が問題だ。

例えば、スポーツの世界ではいまだに名選手がそのまま監督になるケースが非常に多い。

野球や相撲はその傾向が強い。

特に相撲の世界は今だに「かわいがり」と称して暴力まがいのしごきをしている。

これなど一般社会で到底許されないことがスポーツの世界で行なわれている典型例。

閉鎖された社会でしか起こり得ないことである。

一方、サッカーは意外と選手時代は無名だった人が監督として成功している例が多い。

一つはライセンス制度の仕組みによるところが大きいように感じる。

たとえば日本サッカー協会はJリーグのトップチームの監督としてチームを指揮する場合「公認S級コーチ」資格取得を必須条件としている。

どんなに名選手であろうとも、一定の資格を取得していなければ監督にはなれない。

当然彼らは、組織のマネジメントやコーチング、カウンセリング等、一定の知識を持っている。

「俺についてこい」式の経験則一辺倒の指導ではないはずだ。

この違いはどこからくるのだろうか。

一つはそもそものリーグの成り立ちによるところがあるのではないだろうか。

著者もそうだが、Jリーグの初代会長、川淵氏もそれまでは長い間、古河電工でビジネスマンとして過ごしていた。

しかも川淵氏は仕事の面でもかなりの業績を上げ、将来の取締役候補だったという。

つまりある程度成功したビジネスマンがJリーグの仕組みをつくっていったということ。

またJリーグの前身、日本サッカーリーグもアマチュア主体のチームだった。

つまり普段ビジネスマンとして働いていた人が選手として活躍していた。

その人達が今Jリーグの組織の基礎を築いている。

それに比べ、野球や相撲は、それこそ、その世界しか知らない元選手が組織をつくっている。

そこには当然不合理で前近代的な仕組みも含まれる。

大事なことは、スポーツとビジネスの壁を取っ払い、お互い良いものは積極的に取り入れていくという姿勢ではないだろうか。

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