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2012年12月30日 (日)

官僚の反逆/中野剛志

41nlqlwqtel__sl500_aa300_ 自由民主政治というものは、多様性を重視し議論を尊重するものであるから、その過程は複雑で分かりにくく、また何を決めるにしても時間がかかる。誤解を恐れずに言えば、自由民主政治とは、本質的に透明ではなく効率的でもなく、そして迅速性に欠ける統治形態なのである。しかも、自由民主政治は、ある規範を共有し同じ言語で議論する人々を前提としているのだから、グローバルにもなり得ない
 透明、効率的、迅速、そしてグローバルであり得るのは、「だれかれの区別をせずに」「計算可能な規則」に従って自動機械のように運営される官僚制的支配であって、自由民主政治ではない。自由民主政治は本質的にナショナルである。

最近、中央集権の打破とか脱官僚という言葉がよく出てくる。

だが、そもそも官僚とはどのような存在なのだろうか。

官僚とは非人格的没主観的目的によって動く存在。

つまり個人的な考え方や目的は排し、上から与えられた客観的基準によって動く。

客観的であるためには定量化・数値化した目的が必要になる。

このような要素をもっている組織、これが官僚制。

そしてこれはマクドナルドの経営スタイルと共通する。

マクドナルドは「効率性」「計算可能性」「予測可能性」「支配」の4つの特徴をもつ経営スタイルのおかげで大成功を収め、今や世界中に店舗が広がっている。

つまりマクドナルド化とは市場に適用された官僚制化だった。

グローバル化イコール官僚制化である。

さらに官僚制化は大衆化とも共通する。

大衆は自分の考えを持たない。

みんなと同じであることを求め、少数者を排除する。

それはまるで甘やかされて慢心した子供と同じ。

親の庇護の元で育ったため、世の中への甘い見方があり、現状に安住する。

これが大衆というものである。

そしてこれは官僚と全く同じ。

官僚は自分の意見を持たない。

つまりグローバル化、大衆化、官僚制化、これらは自分の意見を持たず、客観的な基準を求め、効率、迅速、支配、画一を求めることで共通する。

著者は、今、日本でこのような流れができつつあると警告する。

確かに今の世論をみても、何かの弾みで一方方向に極端に流れてしまい、異なる意見を排除したりバッシングしたりする傾向が非常に強い。

これは危険な傾向である。

そもそも民主主義とは効率の悪いものである。

多様な意見を持つ者同士が粘り強く議論を重ね一つ一つ決めていく。

時間がかかって当たり前なのである。

しかし、これを避けては自由な民主国家は成立しない。

私達は、とかく効率性を求めてしまいがちだが、そこに危険な落とし穴があることを考える必要がある、ということであろう。

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