パーソナル・プラットフォーム戦略/平野敦士カール
そもそも株式会社という制度自体、たった150年の歴史しかありません。毎日朝9時にオフィスに出社して8時間いれば給料がもらえるという時代は終わりました。これからは、オフィスがあって社員がいてというフレームは崩壊していくでしょう。
現在、アメリカの労働人口の4人に1人は、インターネットを使って、自宅でひとりで働き、組織に所属せず、独立していると同時にさまざまな企業とつながってビジネスを行っている「フリージェント」と呼ばれる人々です。
今、ある一定年齢までは企業が、それを超えると国が年金で国民の収入を保障するという日本のモデルが、制度疲労を起こし始めているような気がする。
先日の改正高齢法では、65歳までの雇用の義務づけが明記された。
来年4月から施行される。
原則、本人が60歳以降も働くことを希望すれば、企業はそれを拒むことはできない。
勿論、これは年金の支給開始年齢の引き上げによる無収入期間が生じることへの対策なのだが、その負担を全部企業に押しつけた形だ。
でも、この制度が施行されても、今後、企業がこれまでと同じように新しい社員を雇用することができるのだろうか?
そして、これで本当に企業は競争力を保ち続けることができるのだろうか?
すごく疑問である。
そろそろ限界が見えてきているような気がする。
そもそも「働くこと」イコール、企業に雇ってもらうということではないはずだ。
既にアメリカでは、働く人の4人に1人は、自宅でひとりで働く「フリージェント」と呼ばれる人々だという。
日本もやがてはこのような形になるのではないだろうか。
いや、このような形にしていかなければ、日本は生き残っていけなくなってしまうのではないだろうか。
今日では個人でも、ITの普及によって、従来では考えられない位、低価格でビジネスを行なうことが可能になった。
これまで10人でやっていたことをパソコン1台でやることも可能になってきた。
本書で紹介するプラットフォーム戦略とは、「プラットフォーム」つまり「場」を創る経営戦略ということ。
ひとりでに、人や情報や知恵やお金が集まっくる「プラットフォーム」を創ることにより、自分ひとりでは思いも寄らなかったようなことが実現してしまうという戦略。
すなわち、「自分をプラットフォーム化する」というのは、自分自身を一企業に見立ててみるようなもの。
要はその「自分」という企業をどう育てていくかということであろう。
今後、社員の人生を会社が丸抱えする、という形は徐々になくなってくるのかれしれない。
« 東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと/菅直人 | トップページ | 岡本太郎の仕事論/平野暁臣 »
コメント