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2012年12月31日 (月)

「借金1000兆円」に騙されるな!/高橋洋一

41oispsg5l__sl160_ 世界に通用している常識では、経済学は数学の才能に秀でた人間が研究する。経済学は、文系、理系と分かれていないが、理系に近い感覚だ。バーナンキ議長自身も、高校時代は数学が得意だったという。
 一方日本では、経済学部は文系の一角であり、理系の人間はまず進学しない。東大では、文系で数学のできる人間は少ない。(中略)
 数学を知らず、定義もなく「破綻」「暴落」という言葉を使ってしまう識者と、それを疑いもなく受け入れてたれ流してしまうマスコミ。そして国民は、その被害者にさせられる。文系経済学の弊害は大きい。

「日本の債務残高はGDPの2倍を超えた、このままでは日本は破綻する」、「このままではギリシャの二の舞」という記事が新聞の紙面を賑わす。

本当に日本は破綻するのだろうか?

素人の私達には皆目見当もつかない。

「マスコミが言っているのだからそうなのだろう」としか言えない。

ところが、著者は日本の識者やマスコミの言っていることには何の根拠もないと述べる。

そもそも何をもってして「破綻」とか「暴落」というのか?

まずその定義があまりにも曖昧。

根拠となる数字を示されて初めてその主張の証明ができるのだが、そのような識者は日本の場合、ほとんどいない。

著者によると、今のとこ日本が破綻する可能性はほとんどないという。

例えば、日本の債務残高は2011年12月の時点で958兆6385億円だというが、これには日本の資産約650兆円は一切考慮されていない。

これを考慮に入れれば日本の債務の対GDP比は正味70%と言ってよい。

普通、債務残高を考えるときにはグロス(量)ではなく、ネット(正味)で考えなければならない。

IMFもネットの数字に注目している。

そう考えると、日本だけのローカルルールによって議論が行なわれているということが分かる。

それよりもっと大事なことはデフレから脱却すること。

これが日本の最優先課題。

そのためにはどうすればいいのか?

政府がインフレ目標を決め、日銀がマネーを供給すること。

かつてバーナンキ議長が「日銀はケチャップを買えばいい」と言い、何でもいいからマネーを供給すればいいではないかと主張していたが、日銀は分かっている人から見ればそのくらいもどかしい銀行なのだろう。

そう考えると、安倍新政権の政策は今のところ間違ってはいないように感じる。

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