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2012年12月17日 (月)

ワーク・シフト/リンダ グラットン

96958a96889de6e4e5e2e2e2e0e2e0ebe2e〈第一のシフト〉は、一つの企業の中でしか通用しない技能で満足せず、高度な専門技能を磨き、ほかの多くの人たちから自分を差別化するために「自分ブランド」を築くこと。

〈第二のシフト〉は、難しい課題に取り組むうえで頼りになる少人数の盟友グループと、イノベーションの源泉となるバラエティに富んだ大勢の知り合いのネットワーク、そしてストレスを和らげるための打算のない友人関係という、三種類の人的ネットワークをはぐくむこと。

〈第三のシフト〉は、大量消費主義を脱却し、家庭や趣味、社会貢献などの面で充実した創造的経験をすることを重んじる生き方に転換すること。

未来の世界で私たちはどんな働き方をしているのだろうか?

多くの人がこのことを考えている。

この問いに応えるような形で書かれたのが本書である。

2025年に私たちはどんな働き方をしているのだろうか?

また、どんな働き方をする必要があるのだろうか?

著者は働き方を変える3つのシフトが起こるという。

第一に、「ゼネラリスト」から「連続スペシャリスト」へのシフト。

世界の五〇億人がインターネットにアクセスし、つながり合う世界が出現すれば、ゼネラリストの時代が幕を下ろすことは明らか。

それに代わって訪れる新しい時代には、専門技能の連続的習得を通じて、自分の価値を高めていかなくてはならない。

未来にどういう技能と能力が評価されるかを知り、その分野で高度な技能を磨くと同時に、状況に応じて柔軟に専門分野を変えることが求められる。

また、個人の差別化がますます難しくなるなかで、セルフマーケティングをおこなって自分を売り込み、自分の技量を証明する材料を確立する必要性も高まってくる。

第二に、「孤独な競争」から「みんなでイノベーション」へのシフト。

私たちは、職業生活とキャリアを成功させる土台が個人主義と競争原理であるという常識を問い直すべきだ。

私たちがいつも時間に追われ、孤独を感じる傾向がさらに強まれば、人間同士の結びつき、コラボレーション、人的ネットワークの重要性がきわめて大きくなる。

難しい仕事に取り組むときに力になってくれる人たちも重要だし、斬新なアイデアの源になりうる多様性のあるコミュニティも重要だ。

活力を補給し、精神のバランスを保つためには、親密で、温かく、愛情のある人間関係も欠かせない。

バーチャル化がますます進む世界では、そういう人間関係が当たり前に存在するわけではない。

そのような人間関係は、意識的に形づくっていかなくてはならなくなる。

第三に、「金儲けと消費」から「価値ある経験」へのシフト。

私たちは、どういう職業人生が幸せかという常識を問い直すべきだ。

これまでの常識どおり、貪欲に大量のモノを消費し続けることが幸せなのか。

それとも、そうしたライフスタイルが代償をともなうことを明確に認識したうえで、質の高い経験と人生のバランスを重んじる姿勢に転換するほうが幸せなのか。

このことを自らに真剣に問うことが必要だ、と。

本書で言っていることを要約すればこのようなことなのだが、いずれにしても、今後働き方が大きく変わってくることは確かなことだろう。

そして、私たちのすべきことはこれを先取りして、今何をなすべきかを察知し、アクションをおこすことではないだろうか。

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