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2013年1月13日 (日)

「言霊の国」解体新書/井沢元彦

Books ところが、日本ではそれができない。「日本が負ける」などと口にしたら、どうなるか?
 山本七平氏の表現を借りれば「それをほんのすこしほのめかしただけで、軍部のお先棒かつぎの議員が『戦争で兵士がお国のために死をして戦っているのに、ナニゴトダーッ』という。
 すると担当大臣は『政府も国民も総力をあげて戦っているときに、こういうことを発表するとはまことに不謹慎、私自身も憤慨している……』というと議員席から『責任をトレーッ』というヤジがとび、同時に『そんなことを発表するのは非国民の敗戦主義者だ』ということになる」(『ある異常体験者の偏見』文藝春秋刊)
ということになる。

日本人は独特の思考回路をもっている。

たとえば戦争中「この戦争は負けるかもしれない」などと言えば、

「そんな縁起でもないことを」と言われ、非国民とされる。

そして戦争に負けると「お前があんなことを言ったから負けたんだ」となる。

一個人が「意見」を言うことと、実際に起こった「結果」とは何の因果関係もないはず。

ところが、日本人の思考回路はそうはなっていない。

これを著者は「言霊」だと述べる。

実は日本人の平和論というのがほとんどこれだ。

つまり、日本人というのは、南無阿弥陀仏と言えば極楽へ行けるように、平和、平和と口にすれば、それで平和が実現すると思っている。

しかし、それは間違いである。

もし平和な国にしたければ、具体的に行動しなければ絶対実現しない。

その中には、軍隊を持つことも選択肢の一つとして当然入ってくる。

当たり前のことである。

しかし、そんなことを言おうものなら、「軍隊という言葉を使うから戦争になる」非難される。

自衛隊を国防軍にしよう、などと言えば、マスコミまでが右翼だと非難する。

議論することすらも許されない。

そんなことを言っていたら、シミュレーションすらもできない。

シミュレーションする場合、最悪の事態を想定して策を練るわけだから、

当然、起こってほしくないことを口にする。

それが許されないとしたらまともな議論はまず不可能。

平和という言葉を唱えていれば平和になる、

間違っても戦争という言葉を使ってはいけない、

そんな言葉を使ったら本当に戦争になってしまう、

いまだにこれに似たような報道をマスコミがするところに大きな問題を感じる。

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