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2013年1月18日 (金)

吉田茂 ポピュリズムに背を向けて(上)/北康利

51pxxouarol__sl500_aa300_ サンフランシスコ講和条約締結は、まさに吉田の命をかけた努力の結晶だった。しかし、わが国に独立が戻った日に彼らが感じた震えるような感動を、現代の我々は共有していない。そこにわが国の悲劇がある。
 国家を支えていくのは自分たちだという意識を国民がしっかり持っていなければ、〝国民主権〟など絵にかいた餅である。講和条約は国民が主権を負うにふさわしい〝成熟〟を手に入れる通過儀礼となるはずだったのだが、国民は成人になりきれないまま、今に至っている。

吉田茂というと「ワンマン宰相」「バカヤロー解散」という言葉が思い浮かぶ。

この「ワンマン」というあだ名はマスコミがつけたように思われているが、実はそうではないという。

この言葉は彼が経済復興と早期独立を目指して戦い続けた相手であるGHQ民政局の連中が、「政府は吉田一人で、あとはあってもなきが如しだ」という意味で「ワンマン」と呼び始めたのだそうだ。

交渉相手がそのように言ったのだからホンモノのワンマンである。

サンフランシスコ講和条約は、おそらくワンマンである吉田だからこそ成し遂げることのできたという面が多分にある。

もし、吉田首相が日本特有の調整型リーダーだったらどうだったろう。

みんなの意見を偏りなく聞くと言えば、聞こえはよいが、

その結果、何も決められない、ということになったのではなかろうか。

その意味ではサンフランシスコ講和条約締結は吉田茂というワンマン宰相ならではの功績と言えよう。

しかし、せっかく勝ち取った国家の独立というもの、

日本人はどのくらいその意味を深く考えているのだろうか。

アメリカには独立記念日がある、

お隣の国、韓国にも独立記念日がある。

では日本はどうなのか?

終戦(敗戦)記念日はあるが独立記念日はない。

日本には、戦後独立国家としての地位を取り戻した日がある。

敗戦後、占領下におかれていたわが国は、1951年9月8日に締結されたサンフランシスコ講和条約により、ふたたび独立国家としての地位をとりもどした。

日本人はこのことをもっと深く心に留め、その意味を考えるべきだ。

日本がいまだに独立国家としての体をなしていないのも、このようなところにあるのではないだろうか。

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