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2013年2月 2日 (土)

シンメトリーな男/竹内久美子

9784167270148 話は少々はずれるが、司馬遼太郎氏の『竜馬がゆく』を読むと、坂本竜馬がいかに女にモテる要素をもっていたかが窺える。それはそのまま、今ここで議論しているシンメトリー男の特徴とよく一致するのである。
 竜馬はまず第一に、背が高く、ルックスがよくて筋肉質である。身長は五尺八寸、つまり約176センチメートルもあり、当時,としては大男だった。しかし竜馬よりも凄いのは姉の乙女で、女でありながら身長は竜馬と同じ。坂本のお仁王さま、と呼ばれていた。
竜馬の剣術の腕は北辰一刀流の免許皆伝である。乗馬も得意。今ならスポーツ万能といったところである。彼はまた、乙女姉さん直伝の三味線の腕も確かで、ユーモアの効いた会話もこなす。これで女が放っておくはずもなく、芸者衆にモテモテだった。
 しかも性格は竹を割ったようにさっぱりし、大らかで愛橋がある。こうして当時の人々だけでなく、今日の我々も含めた万人に愛されているのである。竜馬がシンメトリー男でありそうな気配は極めて濃厚なのである。(中略)
 ともあれこうしてわかるのは、およそ男の魅力となっているものは、実はそのほとんどがシンメトリーと関係がある。つまりは神経系も含めた体の出来具合と関係がある。そしてその手掛りとなっているということである。

シンメトリーとはつまり対称性のこと。

本来完全な左右対称に発達すべき身体の部位だが、実は左右でほんの少しの違いがある。

せいぜい1ミリか2ミリという程度の極めて微妙なずれを問題にするわけだが、それらを研究すると、興味深いことが分かるという。

それは対称性が高い男性ほど女性から、モテるということ。

シンメトリーが研究の対象として注目されたのは、動物行動学者A・P・メラーの研究結果による。

折しも1991年のこと、原発事故後のチェルノブイリの地をこのメラーが訪れた。

ツバメの尾羽の研究をするためである。

分かったことは、シンメトリーな個体ほど遺伝的、環境的ストレスを受けていない、あるいは受けてもそれによく対抗する力を持っているということ。

逆にシンメトリーではない個体は、遺伝的、環境的ストレスを多く受けている、あるいは受けたストレスに対し、十分に対応することができない。

メラーは、動物行動学の分野に、特にメスがオスを選ぶという性淘汰の研究に、このシンメトリーという概念を取り入れた。

シンメトリーであるということはシンメトリーを脅かす存在に見舞われたとしてもそれに打ち勝ち、立派にシンメトリーに発達させることができたという証拠。

個体が、いかに体をしっかりと、安定して発達させられるか、という能力はシンメトリーに現れる。

つまり、シンメトリーはこうした体の性能について、その遺伝子の優秀さが最もよく示される現象なのである。

だからメスとしては何としても見逃すわけにはいかない。

メスはオスのシンメトリー度を本能で見抜くことができる。

これがシンメトリーな男性は女性にモテるという現象にあらわれる、というもの。

でも著名な研究者が大まじめにこんなことを研究しているのだからおもしろいものである。

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