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2013年2月 1日 (金)

失敗の本質 戦場のリーダーシップ編/野中郁次郎

021552thumb208xauto22274 フランス版『失敗の本質』ともいうべき書物をご存じだろうか。作家、アンドレ・モーロウが亡命先のアメリカで筆を執り、1940年5月、ナチス・ドイツの猛攻の前に、わずか6週間で、なす術もなく敗れ去った祖国の敗因を詳細かつ冷静に分析した作品であり、日本も含めた世界じゅうでベストセラーになった古典的名著『フランス敗れたり』(ウェッジ、2005年)である。
たまたま最近、同書を手に取ったのだが、背筋に冷たいものが走った。そこで描かれている内容が、戦後日本、特に2011年3月の原発事故とその後の稚拙な対応に象徴されるいまの日本の政治状況にそっくりなのだ。
 独仏国境につくられた要塞=マジノ・ラインに象徴的な、非現実的な専守防衛的発想、「ナチズムは一時の麻疹のようなもので、ドイツにも早晩、健全な民主主義が根づくはずだ」という根拠なき希望的観測、国際連盟に対する過度の期待、あらゆる戦争を否定する平和至上主義、政治指導者の腐敗・堕落・・・ダイナミックな危機対応力に欠けた、いまの日本との類似点を挙げれば枚挙に暇がないくらいだ。

著者によると、ナチスドイツに占領される直前のフランスの状況と、現在の日本は酷似しているという。

言われてみればそうかもしれない。

根拠なき希望的観測や他力本願的な平和主義、ナルホド確かによく似ている。

今のままでは、丁度フランスがあっと言う間にナチスに占領されてしまったように、瞬く間に他国に負けてしまうこともあり得る。

これは何も戦争を意味するものでなく、経済戦争もそうである。

ビジョンや戦略なき国家、遅い意思決定、そしてリーダーの不在。

それが如実にあらわれたのが3.11とその後の対応である。

何かあった時にガタガタになってしまう組織の姿が表面化してしまった。

3.11を経験した日本は、今こそ、この失敗を教訓として変わるべきときではないだろうか。

この1~2年が勝負だと思う。

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