やるだけやってみろ!/堀場雅夫
ご存じかもしれませんが、社是の「おもしろおかしく」というのは、仕事をおもしろくやるということです。私は、その方法は二つあると思っています。おもしろい仕事を選んで、おもしろい仕事ができるように努力する。例えば、いまはものを売っているけれど、開発するほうが自分は好きなんだと思ったら、会社の中で開発の部隊に移れるようにいろいろ努力して、おもしろい仕事をするというのが一つあります。
もう一つは、いまやっている仕事をおもしろくするということです。自分は本来ものを売るのは嫌いだ、苦手だと思っている人も、例えば「こんなものを売れればおもしろい」と、自分のおもしろいような仕事を開発部隊にいろいろ仕掛けてつくらせて、自分の気に入るような商品に仕上げて売るということもあります。それから、売り方を工夫してみて、自分だけのノウハウをつくり上げるというやり方もできます。例えば、百人百様のお客の好みを整理してデータベース化し、お客のタイプを決めて、そのタイプごとの攻略法を考えてみる。こういう人にはこういうところから攻め込んだら確率が高いとか。一つのマップやソフトをつくってやってみると、成功する確率が三倍上がったとか。そうすれば、仕事もどんどんおもしろくなるはずです。
本書の著者は、分析機器のトップメーカー堀場製作所の創業者、堀場氏。
この会社の社是は「おもしろおかしく」
そもそも仕事とはおもしろいもの、いや、おもしろくするものという考え方が根底にある。
おもしろい仕事をしたいと多くの人は思っている。
しかし、こればかり追い求めていると、一生転職を繰り返すことになるだろう。
青い鳥症候群になってしまうかもしれない。
むしろ、今、目の前の仕事を面白くするということの方が現実的である。
堀場氏もそのことをここで言っている。
では、今やっている目の前の仕事を面白くするにはどうすればいいのか?
それは主体的に仕事をやることである。
仕事をやらされていると考えている内は、おもしろくないもの。
受け身からは何も生まれない。
それより、どうせやるなら、仕事を主体的にやることである。
創意工夫を加えてやってみる、
そうすると段々と目の前の仕事に興味が沸くようになり、おもしろくなってくるもの。
仕事がうまくいくようになれば、お客様から喜ばれたり、同僚から感謝されたりする。
これがおもしろさを加速させる。
そうすると今度は上司からも評価されるようになる。
ますます面白くなる。
要はこのような正のスパイラルが回るようにすることである。
多くの人にとって、働く時間は、一生の大部分を占める。
仕事は適当にやって、趣味に生きるという生きかたもあるかもしれないが、
どうせやる仕事であれば、おもしろくやりたいものだ。
将来、定年は70歳位になるかもしれないのだから。
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