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2013年2月 3日 (日)

日本人の魂と新島八重/櫻井よしこ

51mxzou6uxl__aa278_pikin4bottomrigh もうひとつの特徴は、会津藩の藩士子弟教育の根幹にあるものが「武芸の重視」であることです。とにかく体を使って鍛錬することを幼少のうちから叩き込みます。
 人間は心によって動かされる存在ですが、その心は頑健な身体によって支えられています。そしてまた、敵を退けるのは最終的には力であるという武士の心構えを大切にしていたということでしょう。会津藩士にとって、「学問はなくても恥ではないが、武芸がないことは恥」だったのです。
 こうした武士の心構えは、男子ばかりではなく女子に対しても、家庭教育において徹底されていました。会津藩では、主君は主君として、家臣は家臣として、武士の妻は武士の妻として、母は母として、子は子として、それぞれの役割を認識して武士道を磨いていたのです。

NHKの大河ドラマ「八重の桜」のヒロイン、新島八重。

戊辰戦争で会津城に立てこもり、砲術を指揮し、銃を取って戦ったことで有名だ。

また、敗戦後新島襄と結婚し、同志社設立を支え、晩年は看護婦として日清、日露戦争時に活躍する。

その強さ、先進性、献身、チャレンジ精神はどこから来たのだろうか?

そのことを考えると、会津藩の藩士子弟教育にそのカギがあったのでは、というところに行き着く。

当時、会津藩では幼少の頃から、男女の区別なく、武士道を身体で教えていた。

そして、武士道で教える「大義」に生きたのが八重だった。

会津藩に限らず、かつて日本人は「自分は何のために生きるのか」という大義を多かれ少なかれ教えられ、自覚していた。

自分の意志を自由に、かたちにしていく八重のような人が現れるのも、「大義のために生きる」という精神が根底にあったからだろう。

大義とは、自分の都合ではなく、世の中のためになること、人のためになることを第一とする考え方。

それはときには、大いなる自己犠牲を大前提としなければ成りたたないこともある。

八重は女性ながら、本当の意味で武士道を実践した人ではないだろうか。

ひるがえって、現代の日本人は、すべてを自分のために還元するのが当然と思っている人が、あまりにも多い。

世の中で起こっている様々な犯罪や不祥事の根底にはこれが流れている。

そう考えると、子供の頃からきちんとした道徳教育をすることも必要なことではないだろうかと考えてしまう。

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