日記の魔力/表三郎
一昔前までの脳科学では、脳の神経細胞(ニューロン)は大人になってからは減る一方で、決して増えることはないと言われていた。
だが、その後の研究で、大人になってからもニューロンは日々生み出されていることがわかってきている。
新しく生まれたニューロンは、他のニューロンと連係するために突起を伸ばし、その先端部にシナプスをつくる。このシナプスにおいて神経伝達物質が行き交うことによって、脳は様々な働きをこなしている。
つまり、脳は大人になってからも日々つくり替えられているのだ。
しかもこの新生ニューロンの数は、年齢ではなく、ストレスの量で変わるというのだ。
もちろん、ストレスが少なく、感動の多い生活をしている人の方が、新生ニューロンの数は多くなる。
近年の脳科学の進歩によって、脳に関する様々なことがわかってきた。
中には、それまでの常識を覆す内容のものが解明された例もある。
その中の一つに、「脳は大人になってからも日々つくり替えられている」というものがある。
そして、新生ニューロンの数は、年齢ではなく、ストレスの量で変わるということ。
これから超高齢化社会を迎える日本にとっては、歓迎すべき情報である。
さて、本書で著者は日々日記をつけることを勧めている。
その日記というのは一般に考えられているものとは異なり、「行動の記録」をパソコンでつけるというもの。
そうすることによって脳が軽くなる、つまり脳にかかるストレスが軽減される。
結果として数多くのニューロンが生まれ、そこから伸びた突起が互いに結びつき、新たなネットワークを形成するようになる。
つまりパソコン日記に記憶作業を委任し、脳の回路の負担が軽くなったために、ストレスが減り、脳の活動が活性化する、というもの。
これは一度試してみてもよいのではないだろうか。
負担がかからない程度で。
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