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2013年3月13日 (水)

幕末入門/中村彰彦

Photo さらにいえば、奇兵隊イコール近代的軍隊のはじまり、と考えている人がまだいるようですが、このような認識は少し歴史を美化しすぎています。奇兵隊のなかでも武士階級の出身者とそれ以外の者たちの間には、袖章の相違などの身分差別が厳然とおこなわれていました。上役が平隊士たちの給金を五割もピンハネすることも、珍しくはありませんでした。
 歴史にはつねに、日の当たる部分と当たらない部分とが存在します。長州藩の幕末維新史にとって奇兵隊内の身分差別や暴動一件はもっとも暗い影の部分に相当し、一般にはあまり知られていないようです。
 ですがこのような光と影の部分をともに見つめないかぎり、歴史の真実には迫れないのではないでしょうか。

本書は、幕末で活躍した会津藩、新選組、長州藩、薩摩藩、土佐藩などのことが書かれている。

私自身は山口県人なので長州藩のことが一番興味があるわけだが、長州藩と言えば、吉田松陰、高杉晋作等がすぐに思い浮かぶ。

そして高杉晋作といえば奇兵隊が連想される。

ただ、このような歴史上の出来事や人物を見る場合、それを英雄伝や武勇伝という形で見ると、その中にある闇の部分を見落としてしまう危険がある。

特に歴史上の偉人は美化されがちである。

これは歴史を見る目を誤らせる。

私達は何のために歴史を学ぶのか。

確かに単純に楽しむためということもあっていいだろう。

しかし、何らかの教訓や法則のようなものを得ようとするならば、光の部分と同じくらい、闇の部分を見る必要がある。

いやむしろ闇の部分にこそ多く、得るものがある。

その意味では、多くの時代小説は人物を英雄として美化しすぎているような気がしている。

あくまで個人的な考えだが。

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