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2013年4月12日 (金)

なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?/山口揚平

41qeeogpjxl_aa278_pikin4bottomright  では、両者の命運を分けたのはなんだったのか?それは、ピカソのほうが「お金とは何か?」に興味を持ち、深く理解していた、という点ではなかったか。というのも、ピカソがお金の本質を見抜く類まれなセンスを持っていたことがうかがえる逸話が、数多く残されているのである。
 特に、自分の絵を販売することに関しては天才的で、ピカソは新しい絵を描き上げると、なじみの画商を数十人呼んで展覧会を開き、作品を描いた背景や意図を細かく説いたという。絵が素晴らしいのは前提だ。だが人は、作品という「モノ」にお金を払うのではない。その「物語」を買うのだ、と彼は知っていた。そして、たくさんの画商が集まれば、自然に競争原理が働き、作品の値段も吊り上がる。ピカソは、自分の作品の〝価値を価格に変える方法〟、今でいえば〝マネタイズ〟の方法をよく知っていたのだと思う。

ゴッホとピカソ、誰もが知っている天才画家だが、その生涯は対照的だった。

ゴッホは、多くの職を転々としながら苦労して画家となったものの、極貧の生活を送る。

弟テオの理解と援助のもとで創作活動を続けることができたが、その2000点にものぼる作品のうち、生前に売れた絵はわずか1点のみだった。

一方、ピカソは、その卓越した画才もさることながら、経済的にも恵まれた生涯を送っている。

91歳で生涯を閉じたピカソが、手元に遺した作品は7万点を数えた。

それに、数カ所の住居や、複数のシャトー、莫大な現金等々を加えると、ピカソの遺産の評価額は、日本円にして約7500億円にのぼったという。

同じように優れた才能をもった画家でありながら、どうして生前ピカソは恵まれ、ゴッホは恵まれなかったのだろうか。

それは、ピカソのほうが「お金とは何か?」という本質を見抜いていたからではなかったか、と、著者は述べている。

でも、これはほかのことにも置き換えて考えることができる。

たとえば、過去、日本の製造業の多くは「良い商品を作れば売れる」と堅く信じていた。

しかし、その「モノづくり信仰」が過剰品質を招き、日本企業の敗北を決定づけた。

それはちょうど、「良い作品を作りさえすれば」と一途に思い、ファンタジーの世界に生きていたゴッホとよく似ている。

もっとも、ゴッホとピカソの生涯、個人的にはゴッホの生涯により惹かれるのだが・・・。

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