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2013年5月26日 (日)

日本人しかできない「気づかい」の習慣/上田比呂志

Photo  気づかいで大切なのは、「ちょうどいい具合」。
 この感覚が非常に難しいのですが、行き過ぎた気づかいや重たい気づかいというのは、かえって相手の負担になってしまうのです。
 本当に気づかいができる人というのは、引きどころも知っています。
「そっとしておく」「放っておく」という気づかいができるのです。(中略)
  放っておくというのは、気をつかわない、無関心とは違います。
 気づかっているからこそ、放っておく。
 ただし、気をつかっているということが表には出ないのです。
 だから、相手も余計な気づかいをしなくて済む。
 これは日本的な気づかいの一つの到達点だと思います。

気づかいとは、他者を慮ること。

相手が欲しいと言う前にその気持ちを汲み取り、さりげない行動で示す。

これは日本人にしかできないもの。

欧米には「気づかい」に該当する言葉はない、という。

欧米にも「サービス」という言葉はある。

しかし、気づかいはサービスではない。

とても似ているが根本的な部分で違う。

その違いがもっともよく現れるのは、「そっとしておく」「放っておく」という行為であろう。

よく家電量販店などに行き、商品を物色していると、すぐに店員が近寄って来る。

別に商品の説明など求めていないのに、あれこれを説明をしだす。

私などは、店員が近寄って来ると、その意図がミエミエなので、すぐにその場を去っていく。

おそらく、その店は、それによって販売の機会を損失しているということに気づいていないのであろう。

これなど明らかに過剰サービスである。

逆に、相手の心を慮り、ある時には「放っておく」ことのできるのが日本的気づかいである。

たとえば、日本には無数の旅館が存在しているが、その中でも特に評価の高い旅館というのは、このあたりが実にうまい。

チェックインを済ませ、宿帳などを記入しつつ、世間話なんかをしながら部屋まで案内してくれるが、そのあとはそっと放っておいてくれる。

サイズ別、色別に浴衣や足袋が用意してあり、備えも万全なのでこちらからあえて呼ぶ必要もない。

つかず離れず、絶妙な距離感でお客様をリラックスさせてくれる。

来てほしい時以外には来ない、手を出してほしい時以外には手を出さない。

この絶妙なバランス感覚が日本的な気づかいの特徴ではないだろうか。

今、多くの日本の企業が海外に進出しているが、最も差別化できるのは、この「気づかい」というソフトの部分なのではないだろうか。

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