生命の暗号/村上和雄
人間関係の基本はギブ・アンド・テイクと一般には考えられているようです。たしかにうまくいっている人間関係や取引関係は、ギブ・アンド・テイクで収まっていることが多いものです。
「親孝行」も「義理」も「恩義」も、根底にギブ・アンド・テイクがあると思われています。でも心構えとしてはギブ・アンド・ギブが正解ではないかと私は思っています。遺伝子をONにもっていきたいのなら、ギブ・アンド・ギブのほうがはるかに効果的です。
ギブ・アンド・テイクというといかにも合理的な考え方のように思われる。
ところが、遺伝子的には必ずしも合理的ではないという。
著者によると私たちの持っている遺伝子にはONとOFFの作用があるという。
そして遺伝子をONにすれば誰もが無限大の能力を開花できるという。
遺伝子をONにさせる要素は3つある。
遺伝子自身と環境と心の働きである。
この中で一番誤解されているのは遺伝子自身。
よく「親の遺伝だからしょうがない」という人はがいるが、これはその典型。
自分の中には優れた要素があることを忘れてしまっている。
そうでなければ、天才の出現は説明できない。
天才は代々引き継がれてきた遺伝要素が何かのきっかけにONになった人。
「トンビがタカを生む」というのがこれ。
人間の遺伝子の中には、代々の先祖だけでなく、人類すべての可能性が宿っている。
だから、自分の中の遺伝子をONにすることにもっと注力すべし、ということ。
そして、遺伝子をONにするには、ギブ・アンド・ギブの考え方が効果的。
ギブ・アンド・ギブの典型は母親と赤ん坊の関係。
母親は赤ちゃんにひたすらギブ・アンド・ギブで見返りを求めない。
しかし、それによって至上の満足感、幸福感を与えられる。
そういう心境のとき遺伝子のONが起こっているのだという。
つまり、遺伝子的には、ギブ・アンド・ギブが最も合理的な考え方だといえる。
考えてみれば、世の成功者といえる人は、ギブ・アンド・ギブを実践している人が多いのではないだろうか。
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