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2013年5月13日 (月)

「苦労話」はすればするほど職場がよくなる/高橋克徳

Photo_2  MIT(マサチューセッツ工科大学)のダニエル・キムは、成功する組織には次のような共通のモデルがあると言っています。
 成功する組織は、関係の質が高い。関係の質が高ければ、いい会話やいい対話と組織学習が生まれる。そうすると思考の質が上がる。思考の質が高まれば、いいアイデアが生まれる。それが行動の質を高める。
 行動の質が高まれば、いい結果が生まれやすくなる。しかも、その行動のノウハウがシェアされると組織全体の結果の質が高まっていく。お互いの知恵が結びついて生まれた結果を通じて、お互いを認め合い感謝し合うことができれば、関係の質が高まる。いい結果が持続的に生まれ続けるには、このサイクルが回り続けることが必要なのです。

本書は、同じ著者の前著「不機嫌な職場」の解決編のような形で書かれている。

「不機嫌な職場」では何が起こっているのか?

職場がタコツボ化した結果、お互いのことが見えなくなる。

同じ職場の同僚のやっていることがわからないので、他者に対して批判的な人が増えてくる。

自分は精一杯やっているのに、誰も見てくれない、認めてくれない、こうした意識が自己防御的な思考を増やしていく。

そうすると、決められたことや自分の成果につながることは行うが、余計なことはしなくなる。

自分の成果につながらないことは行わない人ばかりが増えていくと、目の前の仕事や決まった仕事にだけ閉じこもっていくので、他者との関係も希薄になる。

ますます誰からも見てもらえない、認めてもらえないと思うようになってくる。

自己否定感や無力感を強めていく。

これが「不機嫌な職場」で起きていること。

では、逆に、「ご機嫌な職場」になるためには何が必要か?

まず、お互いのことがよく理解できるようになること。

同僚のや部下、場合によっては上司が、これまでどんなことに悩み、苦しみ、ある時には失敗し、苦労してきたのか。

このことがわかって始めてお互い協力しようという意識が生まれる。

協力関係は強制では生まれない。

お互いのことが見えるからこそ、他者を認め、自分に対して謙虚になる。

そして、もっとがんばろうと思う人が増えてくる。

周囲の状況が見えている、個々人のがんばりがよく見える、だから、まだまだ自分も足りない、自分もがんばらないといけないと思う。

こうした意識が、周囲に自発的な行動を促していく。

目標として決めたこと以外でも、周囲が必要としてくれる、よりいい仕事につながるものであれば、自分からかかわる、手を貸す、知恵を出す。

そうすれば周囲からもいいフィードバックがもらえる。

「ありがとう」「助かったよ」「すごいね」「頼りになるね」

こんな言葉が自己肯定感と効力感を高め、さらにもっとがんばろう、期待に応えようという気持ちを引き出していく。

関係の質が高いとは、こういうことなのではないだろうか。

そのためには、お互いもっと苦労話をしたり、雑談したりする関係作りからはじめよと著者は勧めている。

昔を懐かしむわけではないが、確かに最近の職場は効率化ばかりを優先した結果、余裕がなくなり、余計な無駄話が減ってきたような気がする。

そして社員が疲弊してきてしまっている。

うつ病を訴える社員がどんどん増えてきている。

ブラック企業と揶揄されるような企業になる前に、もう一度気軽に雑談ができる職場作りから始めてはどうだろうか。

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