時間の習俗/松本清張
鳥飼重太郎の博多の住まいは、八畳と六畳の二間だけの狭い家である。趣味といえば、濡れ縁の上に五つか六つの鉢植を並べている程度だ。五十二歳の老刑事は、一人娘を嫁入らせたあと、この家に妻と二人きりで暮らしていた。
久しぶりに松本清張の小説を読んでみた。
本筋とは関係ないのだが、ある一節が妙に印象に残った。
それは、この小説に登場する一刑事が「五十二歳の老刑事」と描かれていた部分。
「へぇ~」である。
この小説が出版されたのは1962年。
今から50年前、この当時は「五十二歳」は「老人」という認識だったのだろうか。
確かに平均寿命が80歳位になった現在、52歳を老人とは誰も言わない。
50代になっても第一線で活躍している人がほとんどである。
時代は変わったものだ。
« 会社では教えてくれない仕事のルール/長井亮 | トップページ | 人生を成功に導く質問力/谷原誠 »
コメント