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2013年6月20日 (木)

イノベーションのジレンマ/クレイトン・クリステンセン

Photo  失敗の構造の最後の要素、安定した企業が、破壊的技術に積極的に投資するのは合理的でないと判断することには、三つの根拠がある。第一に、破壊的製品のほうがシンプルで低価格、利益率も低いのが通常であること。第二に、破壊的技術が最初に商品化されるのは、一般に、新しい市場や小規模な市場であること。第三に、大手企業にとって最も収益性の高い顧客は、通常、破壊的技術を利用した製品を求めず、また当初は使えないこと。概して、破壊的技術は、最初は市場で最も収益性の低い顧客に受け入れられる。そのため、最高の顧客の意見に耳を傾け、収益性と成長率を高める新製品を見いだすことを慣行としている企業は、破壊的技術に投資するころには、すでに手遅れである場合がほとんどだ。

本書はイノベーションがなぜ起きないかを述べている。

イノベーションの方法を書いてある本はたくさんあるが、イノベーションがなぜ起きないかを科学的に証明しているのは本書だけではないだろうか。

特に本書で問題になっているのは、成功した企業がなぜ破壊的イノベーションを採用できないのか、ということ。

多くのトップ企業は、過去の成功体験に基づいた合理的で正当な企業戦略を展開する。

ところが技術が持続的になっている企業は破壊的なイノベーションを採用できない。

なぜなら技術を培ってきた社員がいるし、それまで巨額の投資を積み重ねてきているので、一気に仕組みを変えることができないから。

だが、それゆえに破壊的イノベーションには対処できず、市場の主導権を失ってしまう。

ソニーがそうだったし、マイクロソフトもそうなろうとしている。

ジョブズ氏亡き後のアップル社も今後そうなるかもしれない。

昨今のトップ企業の盛衰を見ていると、まさに本書で述べているようなことが現実に起きているのだということを実感する。

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