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2013年6月28日 (金)

さかのぼり日本史⑦戦国/小和田哲男

Photo  経済というのはとにかく「流れる」ことが重要です。水が高きから低きに流れることによってエネルギーが生まれるように、経済には常にダイナミックな流れが必要なのです。停滞してはダメです。ゆえに、人やモノをできるだけ動かそうとして、信長はこれらの政策を打ち出しました。いわば「開放経済政策」です。これらはすべて守りではなく攻めの発想であり、どれも当時の常識の反対側から発想されている点が、面白いところです。

戦国時代は、百以上の群雄が割拠したといわれる。

当時において、最終局面まで勝ち残った武将は、間違いなく経済戦略にも優れていた。

戦国時代もお金が大きなポイントとなって武将たちの勝ち負けを決めたのである。

たとえば織田信長、豊臣秀吉、徳川家康。

この三人とも、今で言えば卓越した起業家であり、会社経営者だった。

単なる肉体派・武闘派ではなかったから、彼らは競争に勝ち抜くことができた。

現在の政治を見ても、安倍政権がうまくいっているのも、経済政策に優れているからに他ならない。

例えば、上記の信長の例。

できるだけ多くの商人が集う、活気ある町づくりをしたい、と考えた信長が、商業振興策としてさらに行ったのが、街道の整備だった。

当時の道路というのは、おおむね細くて、曲がりくねっていて、歩きにくいのが当たり前だった。

それを信長は道幅を広げ、まっすぐに直し、通行しやすくしようとした。

当時の常識からすると、これはまったく驚くべき試みだった。

というのも、そのころの領主は敵が領内に入り込むことを極度に恐れて、道幅はできるだけ細くし、曲がりくねらせ、川にはわざと橋をかけなかったから。

道を広くしたりまっすぐにしたりすることは、敵に攻め込んでくださいと言っているようなものだと考えていた。

つまり、できるだけ自分の土地をオープンにして、たくさんの人を呼び込もうとした信長の発想は、通常の逆をいっていたわけだ。

これが信長が天才と言われた所以であろう。

信長は、街道の整備をすることにより、人とモノの流れをスムーズにし、経済を活性化させた。

信長の政策は、今で言えば規制緩和にあたる。

アベノミクスがうまくいくかどうかも、どれだけ既得権者の抵抗を打破し、規制緩和をし、ヒト・モノ・カネの流れをスムーズにできるかどうかにかかっている。

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