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2013年6月 5日 (水)

僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか/荻上チキ

Photo 「心でっかち」な人というのは、なんでもかんでも、「個人の心」に議論を還元しがち。そして、その思考法からはじき出される結論は、いつも決まって次のようなものです。
「みんなが今よりもキリッとすればいいのだ」
「政治家がしっかり仕事をするようになれば社会はよくなる」とか、「みんなが優しくなればいじめはなくなる」「問題の重要さにみんなが気づけば前に進む」といった具合に、なんでも気持ちの問題で済ませようとする議論は多くあります。どれも同語反復にしか見えない、意味のない議論です。

著者が言うには、議論を行う際に、邪魔になりがちな「思考の癖」というのが存在しているという。

それは「頭でっかち」と「心でっかち」という問題。

これは、思想的な違いというよりも、思考法の違いとも捉えられる話。

「頭でっかち」というものは、わかりやすい。

「社会は理性でコントロールできる」

「自分好みの仕様に、構造を作り替えることで、社会はうまくいく」

といった身体性を抜きにした、実態や効果を無視してしまった発想。

では「心でっかち」とは、どんなものか?

「心でっかち」というのは、玉川大学脳科学研究所の社会心理学者・山岸俊男氏が作った言葉で、「個人の内面ばかり」に焦点を当てる思考の癖のことを指す。

なんでも「心の問題」で片付けてしまう発想。

でも、この思考特性は、旧日本軍の精神論からずっと続いているような気がする。

今でも、スポーツや企業経営の世界では、このことばかりを強調する人がいる。

この「心でっかち」の人、自らの思考の浅さや発想の貧弱さを「心の問題」すり替え、逃げているだけのような気がする。

確かに人間には「心」がある。

しかし、このことばかりを強調することにより思考停止状態に陥ること。

これが一番怖い。

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