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2013年7月25日 (木)

スティーブ・ジョブズⅠ/ウォルター・アイザックソン

Photo  スカリーは最後の抵抗をつぶやく──やはり友だちとして、社外からアドバイスをするにとどめたほうがいいのではないか、と。
「そう言うとスティーブはじっと足元を見つめ、重苦しい時間が流れました。そして、そのあと何日も私にまとわりつく問いを発したのです。『一生、砂糖水を売り続ける気かい? それとも世界を変えるチャンスに賭けてみるかい?』と」
 お腹をズンと殴られたような気がした。首を縦にふる以外、道はなかった。
「必ず自分が思うとおりにしてしまうスティーブの能力は驚異的です。相手を見極め、どう言えばその人を動かせるのかを把握するのです。彼と付き合って4ヵ月でしたが、ノーと言えなかったのはあのときがはじめてでした」

ジョブズが亡くなってもう1年9ヶ月が過ぎた。

あれからアップルは迷走を続けている。

革新的な商品を次々と出して世界を熱狂させたアップルの姿は今はない。

逆に言えば、いかにジョブズが類まれな人物であったかを示している。

本書は、そのジョブズの伝記だが、読み進めていくにつれ、ジョブズという人物は決して模範的な人物ではなかったということがよく分かる。

ジョブズは上司としても人間としてもモデルになるような人物ではない。

わかりやすくて皆がまねしたいと思うような人物でもない。

ある時には部下をコテンパンにこき下ろし、まるで狂気に憑かれているように、周囲の人間を怒らせ、絶望させる。

しかし、同時に強い感化力を持った人物でもある。

上記のジョン・スカリーをスカウトしたときのエピソードなと、まさにそう。

当時ペプシコーラのマーケティング部門を率いていたスカリーに語った「一生、砂糖水を売り続ける気かい? それとも世界を変えるチャンスに賭けてみるかい?」という殺し文句。

こんな挑発的な言葉、普通の人には言えない。

しかし、この強烈な個性が周囲を次々に感化し動かしていく。

そして、彼の個性と情熱と製品は全体がひとつのシステムであるかのように絡み合っていく。

それを具現化したのがiPod、iPhone、ipad等である。

こんな人物を「天才」というのだろう。

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