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2013年7月27日 (土)

半落ち/横山秀夫

Photo_2「私は、息子を病気で亡くし、妻を手にかけてしまいました。それでもこうして生き恥を晒しているのは、こんな私でも、まだ必要としてくれている人がいると信じているからです。そのことを教えてくれた人がいたからです。だからあと一年……一年だけ……」
 人間五十年──。
 植村は仕切り板に手のひらを押し当てた。
「わかりません。あなたが何を言いたいのか。誰が何を教えてくれたんです?」
「言えません。守りたいんです、その人だけは……」
「しかし」
 梶の顔がスッと近づいた。
「植村さん、あなたには守りたい人がいませんか」

この小説、以前映画で見たことがあったため、読んでみた。

現職警察官である梶が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。

動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの2日間の行動だけは頑として語ろうとしない。

このような状態を警察では「半落ち」という。

梶が完全に落ちないのはなぜなのか?

調査を進める内、梶がこの2日間の間に新宿歌舞伎町に行っていたということが判明する。

歌舞伎町という言葉から、多くの人はよからぬことを想像する。

メンツを重んじる警察はこのことを隠蔽しようとする。

しかし、真実は全く別のところにあった、

梶は、数年前に命を失った息子の臓器を提供した相手である、歌舞伎町のラーメン屋で働くひとりの若者に会いにいっていたのだ・・・といった形で物語は展開していく。

中でも、梶が語った「あなたには守りたい人がいませんか」という言葉。

いろんな意味で考えさせられる言葉である。

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