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2013年7月29日 (月)

裸の王様/ビートたけし

Photo  いざ自分が、ある程度そこまで来たような自覚があると、「誰が見るんだ、これ」ということになる。そうすると、もう一人の自分が見ることになるわけ。ある種の二重人格になるようなもんだ。
 これは芸能論ともつながってくる。舞台でも何でも、しっかりしている人というのは、この「もう一人」を持っていることになるんだ。それがいないのでは、仕方が無い。ビートきよしさんには、その「もう一人の自分」はいない。
 おいらが舞台で漫才をやってる時には、もう一人のビートたけしが客席で見ている。それがいなくてはいけない。半分は客席にいるんだけど、舞台上の自分は全身で乗っているように見せる。
 それを客席の自分には、「ああ、乗っているな」と思わせるんだよ。だから、きよしさんみたいに、「客に受けてうれしいな」とシンプルに喜んでいる人とは、幸せ度が全然違うと思う。
 きよしさんは100%「貰った」人。おいらの方は、半身は客席なんだから、50%しか貰っていない。
 だから辛いねえ、と思うし、そんなに面白くない。

売れ続ける芸人は自分を客観視できるという。

まるで二重人格、または、幽体離脱しているような体験、

目の前の漫才にのめり込んでいるように見えても、実際にはそれを客席から冷静に見つめているもう一人の自分がいる、という体験である。

たけしにはこれがあった。

しかし、相方のビートきよしにはそれがなかった、という。

これだけが成功と失敗を分けるわけではないだろうが、成功し続けるための重要な要素であることは間違いない。

いきなり売れるようになったと思ったら、すぐに消えていくお笑い芸人が多い。

おそらく売れた自分を客と一緒になって喜びそれで終わってしまっているのだろう。

100%喜びを味わってしまっているんだから。そこから先があるはずがない。

後は飽きられるだけ。

50%だけ喜び、後の50%は残しておかないと後がなくなってしまう。

自分を客観視する、ということ。

成功し続けるための、お笑いの世界に限らず、すべての世界で共通に言えることではないだろうか。

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