文明崩壊(上)/ジャレド・ダイアモンド
過去の人々は、絶滅や追放に値するほど無知無能な環境の管理者ではなく、かといって、今日のわたしたちにも解決できない問題をみごと解決した全能で良心的な環境保護主義者でもない。わたしたちと同じような人々、わたしたちが直面しているのとおおむね似通った問題と相対してきた人々なのだ。わたしたちの行動の成否を左右するのと似たような条件に、彼らも成否を左右されてきた。もちろん、わたしたちが今対峙させられている状況と過去の人々が置かれた状況のあいだには違いがあるが、共通点もじゅうぶんに多く、したがって過去から学べることも多い。
歴史から学ぶ場合の基本的なスタンスは何だろう?
それは歴史は繰り返すということ。
過去起こったことは、時代が変わった今も、起こり得るのだということ。
その意味で、栄華を誇った文明がどうして崩壊したのか、このテーマで歴史をみる意義は大きい。
本書では、イースター島、ピトケアン島、ヘンダーソン島、アナサジ族、古典期低地マヤ、ノルウェー領グリーンランド、これら6つの社会が崩壊に至った過程について述べている。
そこにたくさんの教訓が含まれている。
本書で述べられている潜在的な要因は5つ。
環境被害、気候変動、近隣の敵対集団、友好的な取引相手、環境問題への社会の対応、である。
でも、これら5つの要因、
考えてみたら、今の日本が直面している問題でもある。
その意味で、日本も決して例外ではないと言えよう。
歴史から学ぶ意義は大きい。
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