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2013年8月10日 (土)

利益や売上げばかり考える人は、なぜ失敗してしまうのか/紺野登

Photo  ドラッカーは、みずからを社会生態学者と称していましたが、その一方で、経営コンサルタントという顔を持っていました。これは有名な話ですが、彼はクライアントとの最初のミーティングで、開口一番、「ホワット・イズ・ユア・ビジネス?」(どんな事業をなさっているのですか)と質問するのがもっぱらでした。
 「ドラッカーともあろう人が、クライアントのことを事前に調べてこないのか」なんて、やぼなことは言わないでください。彼は、この質問をきっかけに、「その会社の使命は何か」「顧客はだれか」など、当たり前だけれども日頃まじめに考えていない質問を投げかけながら、その会社の「あるべき姿」、ついには「目的」を引き出していくのです。

今、戦略論が盛んだ。

特にマーケットがグローバル化した結果、多くの企業が海外に進出することを余技なくされている。

そのためには戦略が必要になる。

その意味で、戦略論が盛んになるのは当たり前であろう。

ただし、戦略とは方法論である。

方法論の前に大目的が必要なのではないか?これが本書の主張である。

大目的とは、「あなたの事業とはそもそも何なのか?」「その会社の使命は何か?」「顧客はだれか?」というもの。

つまり、そもそも論、である。

企業の不祥事が起こるのも、多くの場合、その原因は、大目的を見失ってしまったことによる。

企業の大目的をしっかりと見据えて事業をし、それが社員に共有されていれば、不祥事など起こるはずがない。

そして現在の日本のリーダー層に問われるのが、目的の設定能力であることに疑いの余地はない。

世のなかや関係者の多様な小目的群を調整し、大目的に根差しながら中目的に向けて実践するための知力。

とりわけ不確実で複雑な環境にわれわれが置かれた時、仮説を立て、社会と関わりながら行動を起こしていく実践力。

これらがリーダーに求められているのではないだろうか。

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