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2013年8月 6日 (火)

首魁の宴/高杉良

Photo  杉野は大蔵省など経済官庁の高級官僚を手なずけるために、モチ代と称する小遣い銭を与えていた。金額は三十万円から五十万円。
 ホテルの特別室や杉野良治事務所に呼びつけて、〝寸志 杉野良治〟と毛筆で書いた封筒を手渡す。この習慣は十年に及ぶ。金額はいまよりも少ないが、杉野からモチ代を受け取った高級官僚で、日銀総裁にまで上り詰めた者もいる。
 情報は只ではない、という信念に根ざしていると言えば恰好がよすぎるが、カネで動かぬ官僚は少ないし、受け取らぬ者も少ない。
 官僚たちが政治家に強い杉野の威光を恐れている面もある。受け取りを拒否して、杉野の逆鱗に触れたくない、という思いもあるかもしれない。

この小説の主人公、杉野のモデルは、雑誌「経済界」の主幹である佐藤正忠。

またその他の登場人物も実名は使っていないものの、ほんとんど実在の人物。

しかも、中曽根元首相を曽根田元首相とするなど、実名をにおわす偽名が使われている。

内容は、カネ、カネ、カネ、である。

そのカネは政界、財界、官僚にばらまかれる。

それによって杉野は影響力を強めていく。

逆らう者は、自らが主幹を務める「経済界」でたたく。

そんな世界である。

カネにまみれた政界、財界、官僚の大物たちが日本をダメにし、失われた20年となったのだと考えると、その罪は計り知れない。

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