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2013年8月25日 (日)

ファスト&スロー(下)/ダニエル・カーネマン

Photo_2   私たちの考えと行動は日常的にはシステム1に導かれているが、だいたいにおいて正しい。とりわけ驚嘆に値することの一つは、じつにゆたかで詳細な現実世界モデルが連想記憶の中に維持されていることである。おかげで、連想記憶は通常の出来事と予想外の出来事とを数分の一秒で識別し、その出来事について何を予想していたのかを瞬時に思い浮かべ、予想外のことと本来起きるはずだったことについて、因果的説明を自動的に探すことができる。
 記憶にはまた、私たちが生まれてこのかた習得してきた幅広いスキルも蓄えられており、直面した難問に対して自動的に的確な解決を示してくれる。ここで言うスキルとは、行く手を遮る巨大な岩を乗り越える方法から、顧客の怒りの徴候を見抜いてうまくなだめる方法まで、じつに多種多様である。

私たちの行動の大部分はシステム1、つまり速い思考に導かれているという。

システム1は認知容易なものを記録し、それを頼りに情報を処理する。

処理の結果が現実にはあり得ないような答になってしまっても、警告を発する機能は持ち合わせていない。

システム1は時にバイアスがかかる。

こうしたバイアスに対して何か打つ手はあるのだろうか。

私たちは、自分自身の判断や意思決定をどうしたら向上させられるだろうか。

一言で言えば、よほど努力をしない限り、ほとんど成果は望めないという。

直感的思考は、自信過剰、極端な予想、計画の錯誤に陥りやすい。

システム1に起因するエラーを防ぐ方法は、原理的には簡単である。

認知的な地雷原に自分が入り込んでいる徴候を見落とさず、思考をスローダウンさせ、システム2の応援を求めればよい。

しかしシステム2は怠け者なので、これをやりたがらない。

世の中で、多くの人が誤った判断を繰り返すのも、このようなことが原因である。

大事なことは、強制的にでも重要なことについてはシステム2が働く仕組みを作り上げることではないだろうか。

個人では難しいかもしれないが、少なくとも、組織のレベルではこのことが必要だろう。

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