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2013年8月 5日 (月)

しくみづくりイノベーション

Photo  当事者である生活者に、直接コミュニケーションをとることでニーズをくみ取ることができるのではないかという発想もある。しかし、顧客は無意識にニーズをもっているのであって、明瞭かつ明確に言語化されているわけではない。また、顧客自身が自らの欲求や欲望に気づいていない場合も多い。なぜならば、彼らのニーズはまだサーチライトで照らし出されていないからだ。
 アメリカにおけるATM(銀行の現金支払い装置)導入前の調査結果は、その好例である。ATMがまだ市場に導入される前の聞き取り調査で、預金の引き出しを利用するかという意向を聞くと、ほとんどの人が利用しないと答えたという。今から考えると、想像できないような事実があった。

多くの商品のコモディティー化が問題となっている現在、イノベーションが多くの企業にとっての課題になっている。

そのため、「顧客に聞け」とまずリサーチを始める。

しかし、これには限界があるという。

そして一つの例としてATMのことを取り上げている。

導入前の調査では、多くの人は「ATMは利用しない」と答えた。

当時の人びとは、ATMをまず見たことがない、聞いたことがない。

あるいは現状のサービス以外の可能性を想定できないような状況では、「問い」そのものの意味がないといっても過言ではない。

たとえATMがいかに優れたものであっても、従来は銀行マンを信用しているのだから取引ができたのに対し、機械ではそんなことができるはずがない。

こういった先入観を持った人びとにとって、機械によるサービスは不自然に映ったのであろう。

当然のことながら、「利用しない」、「利用したくない」といった反応がほとんどだった。

そんなATMも、今日では必要不可欠なものとなっている。

ATMでお金を引き出すという場合、あくまでそれはATMあるいは銀行を使いたいからではなく、何らかの目的がある。

「ドリルではなく、穴を求めているのだ」という言葉があるように、目の前にある物事のみにとらわれると近視眼的になってしまう。

何が本質的な顧客のニーズなのか?

顧客が自分自身でも気づいていない隠れたニーズをどのようにして発見するのか?

見落としてしまいがちな視点である。

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