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2013年9月 6日 (金)

捏造だらけの中国史/黄文雄

Photo 中国外務省の秦剛副報道局長は、定例の記者会見でこう言った。「歴史上、中国は一度も他国を侵略したことはない。有史以来一貫して平和国家だった」
 たいてい中国外務省出版の国際関係の書物は、どの国とも「友好関係」以外にない。中国外務省の主張によれば、中国の人権はアメリカの五倍以上尊重されている。もちろんこの「五倍」以上の数字もきわめて中国的だ。
 中国で流行しているこういう諧謔がある。
  アメリカ人「アメリカでは、嘘つきは弁護士になる」
  日本人「日本では、嘘つきはマスコミ関係者になる」
  中国人「中国では、いまだ一人も嘘をついたものはいない」
 中国人というのは、考えていることと、口で言っていることと、やっていることは違うもので、そこで「建前と本音」を使い分けるのも巧みである。

著者によると、日本人と中国人とでは子供の教育に大きな違いがある、とのこと。

日本人はたいてい「嘘つきは泥棒のはじまり」だと叱るのに対して、

中国人はほとんどが外に出たら「騙されるな」と丁寧に注意をする。

それは中国社会では、買物にしても値切らないと損をするだけでなく、騙されてニセものを買って帰ることも多い。

だから、「騙されるな」というのは、そういうような人間不信の社会から生まれるもので、古代からの「伝統文化」ともいえる、というのである。

本書のタイトルは「捏造だらけの中国史」となっているが、

捏造が中国の伝統文化となっているとすら言える。

これらを考えると、中国の政治家やマスコミの発言を真に受けないほうがよいということになる。

それらの言葉の奥に何が働いているのか、と、読みながら聞く必要があるということであろう。

最近よく出てくる「正しい歴史認識」という発言も、

それは中国が決めた歴史認識である。

日中が共有する歴史教科書の作成の動きもあるにはあるが、

それはあくまでも中国の意向を尊重ということでしか不可能だから、日本がいくら努力しても日本の意向通りにできるものではない。

中国の常識から考えれば、中華思想をやめ、従来の「正しい歴史認識」を放棄することはないだろう。

中国は絶対善であり、絶対無謬である自負を放棄することもないだろう。

むしろ日本としては、そのような前提の上で、上手につきあう以外にないのではないだろうか。

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