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2013年9月30日 (月)

ザ・ファシリテーター/森時彦

Imageca6cbkvv「社長が変えようとしても、なぜ、会社は変わらなかったのでしょうか?」
 かすれた声が円陣の中から聞こえてきた。声に多少のためらいがあった。
「いい質問だね。コンサルタントを雇って戦略を打ち出しても、組織を変えても、詳細な財務分析ができるシステムを構築して問題点を洗い出し、毎週レビューしても、私が命令しても、組織のどこかで行動が止まってしまうのだよ。『組織の慣性力』とでも言うのかな、いままでのやり方から抜け出てくれない。社長の私が言ったからといって、なかなか変わらない」

ファシリテーションについて、物語形式で解説しているのが本書である。

ファシリテーションは単なる会議を上手く進めまとめるスキルではない。

「人と人とのインタラクション(相互作用)を活発にし、創造的なアウトプットを引き出すもの」と著者は定義している。

チームが課題を共有し、効果的に考えを交流させ、創造的な答えを導き出す。

動機が内存化し、自発的で活力に溢れた行動が生まれる。

1+1が2以上になるようなポジティブな化学反応が現れる。

これが、優れたファシリテーションの効果である。

会社という組織は感情を持つ人間の集まりである。

〝感情を持つ人間〟というのがネックで、それゆえに指示命令だけでは動かない。

どんなに優れた戦略を選択しても、会社が変わらないのはそのためである。

人と人との相互作用を活性化させるには、人間関係につきまとうさまざまなマイナスの感情、不必要な遠慮や配慮を排除し、積極的なプラスの感情が出てくるようにする必要がある。

またチームが同じ波長で思考するための納得性のある議論のフレームワークを提供し、効率的なグループ思考を促すことも必要だ。

そのための一つのスキルが、ファシリテーションである。

なかなかこの本に書かれているように上手くはいかないのだが、これはなんとしても身につけたいスキルの一つである。

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