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2013年10月 8日 (火)

日本人とユダヤ人/イザヤ・ベンダサン

Photo 「生命の安全が何よりも第一である」といえば、「あたりまえだ、そんなことはユダヤ人から聞かなくたって、よくわかっている」と日本人は言うであろう。だが、駐日イスラエル大使館がまだ公使館であったころ、日本人に親しまれたある書記官がつくづくと言った。「日本人は、安全と水は無料で手に入ると思いこんでいる」と。この言葉は面白い。生きるために、水より大切なものはないということは、何も「ユダヤ人から聞かなくたって、よくわかっている」。では、銀座のバーで「おひや」一杯で一万円請求されたらどうであろう。「ジョニ黒ですら一万円なのだから、何よりも尊くかつ不可欠の水が一万円なのは当然だ」とその人は言うであろうか。「冗談じゃない、それとこれとは別問題だ、水一杯で一万円とは何だ、暴利だ、暴力バーだ」と警察沙汰になるかもしれない。

本書は日本人論ブームの火付け役となった本。

著者はイザヤ・ベンダサンとなっているが、山本七平が書いたというのが定説になっている。

この本によって有名になった言葉に「日本人は、安全と水はタダだと思っている」というものがある。

つまり荒野で生活するユダヤ人にとって水は命の次に大事なもの。

だから、ダダでは買えない。

むしろ、お金を出してでも買うもの。

同様に、安全も、お金を払ってでも確保するもの。

それが、幾多の迫害の中で生き延びてきたユダヤ人の常識。

しかし、日本人にはその感覚が全くない。

水も安全もあって当り前のもの。

お金を出して買うなんて、とんでもない、という感覚。

この意識の違い、日本人の意識の根底にあるように感じる。

確かに、自分たちの国を守る軍隊が必要かどうかを大まじめに議論し、いまだに結論が出ない国は、日本をおいて他にないだろう。

「日本民族は、何の苦労もなく育ってきた秀才のおぼっちゃんである」と著者が述べているが、それは当たっている。

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