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2013年11月24日 (日)

任せる技術/小倉広

Photo 任せることができない上司は、部下の仕事を自分で抱え込む。そして年がら年中「忙しい、忙しい」と額に汗をかく。自分は人一倍仕事をしている。そう思い込んでいるのだ。
 しかし、経営者から見るとその上司は「仕事をしていない」に等しい。つまりは本来の上司の仕事をしていない。部下の仕事を上司が奪っていることにしかならないからだ。

中小企業の管理職は、ほとんどがプレイングマネージャーだ。

仕事が忙しくてそうせざるを得ないという理由もあるかもしれないが、むしろ問題は任せることができない、というところにある。

しかも多くの管理職は、部下と同じ仕事しかしていない単なるプレイヤーであって、マネジメントなどやっていない。

経営者からすればこれは大いなる損失だ。

何のために部下よりも高い給料を払っているのか。

部下よりも給与の高い上司が部下の仕事をしているのだ。

その分部下が楽をしている。

これが損失でなくて何であろう。

しかも、上司は上司としての仕事に一切手がつけられていない。

これでは明るい未来はない。

そもそも部下の仕事とは、「今日」の食いぶちを稼ぐことにある。

一方で上司の仕事とは、「今日とは違う明日」をつくることである。

仕事を、重要度が横軸、緊急度を縦軸とするマトリックスの表を作って当てはめるとすると、

管理職の仕事は重要だが緊急ではない仕事をいかにするかにかかってくる。

例えば、業務フローを標準化し改善する、とか

営業戦略を立案する、とか

未来のビジョンを策定する、とか

部下育成をする、とか

これらは緊急ではないが、重要な仕事である。

これこそが、これまでとは違うやり方を示し、より良い未来へ踏み出す、管理職の仕事である。

部下の仕事を奪っている上司は、これを怠っているということになる。

目先の忙しさにかまけて本質的な上司の仕事を一切していないことになる。

「高い給与で部下の仕事を奪うこと」が目に見える損失だとすれば、「今日とは違う明日」づくりを放棄するということは目に見えない大いなる損失だと言える。

部下に仕事を任せない上司は二つの意味で上司失格である、と言えるだろう。

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