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2013年11月14日 (木)

人間にとって法とは何か/橋爪大三郎

Photo  たとえば湾岸戦争のときに、クウェートが侵略されました。クウェートは主権国家であり、イラクがそれを侵略した、と国際社会が認め、国連の安全保障理事会もイラクの非難決議をだした。すると国連加盟国である日本国としても、クウェートの権益回復に努力をする最大限の義務があるはずです。そして多国籍軍が組織されました。多国籍軍がどういうものかというと、国連軍によく似たものではないかと思います。国連憲章を読んでみると、国連は集団自衛権を正当な権利として認めていて、それを行使する形態として国連軍があるわけです。どうして集団自衛権を認めるかというと、個別自衛権しか認められないなら、ごく小さい国が、中くらいの国や大国が攻めてきたときに自力で対抗しなくてはならないことになります。それは無理だからですね。小さい国は自衛のために、もっと大きい国と同盟を結んで、集団自衛権で対抗する必要があるわけです。ですから国連はそれを認めている。

現在の憲法の第一の問題は、日本国憲法の内容と、国際常識とが乖離しているという点であろう。

憲法は第9条で戦争放棄をうたっている。

これまでの政府の見解は、個別自衛権はある、だから自衛隊がある。

しかし、集団自衛権は憲法の精神からして行使できないというもの。

ところが、そのことと、国際社会の正義とが矛盾する。

日本は集団自衛権を行使できない、政府も国民もそう思っている。

でもこれは、国連の考え方とは違っている。

この矛盾は放置できない問題である。

今、政府は解釈によって集団的自衛権を行使できるようにしようとしている。

しかし、本来ならば、憲法9条の条文を変えるべきだろう。

この方がすっきりするし、すべてを解釈で乗り越えるのはむしろ危うさを感じるし、国家の暴走を助長しかねない。

しっかりと議論してもらいたいものである。

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