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2013年11月 5日 (火)

時代を見通す力/副島隆彦

Photo  関東軍参謀だった〝戦争思想の天才〟石原莞爾陸軍中将も、日本の満州権益を守るために彼自身が初期にかなり謀略的なことをした。けれども石原は戦争不拡大派だった。「中国本土には手を出すな」と言い続けた。石原はアメリカに対しても冷静だった。綿密で詳細な国力比較をした結果から、海軍の米内や山本たちよりずっと早くから「絶対に負けるから間違ってもアメリカとは戦争をしちゃいかん」と言っていた。それもあって左遷され、満州から日本に早々と帰された。東条首相とぶつかって、満州国の設計者の地位を追われた。四十九歳で京都師団長となってこのあと退役、昭和十六年には予備役に編入だ。石原たち「不拡大派」は主導権争いに敗れたのだ。
 石原莞爾みたいな軍事の天才はそうそういるものではない。彼の『世界最終戦争論』を読むとそのことがよくわかる。彼はハルマゲドン(世界最終戦争)という構図で、その後の原爆投下から戦後の世界体制のことまで自力で予見して当てている。見事である。

歴史の通説として人々の間で信じられているものの中で、間違っているものが随分あると著者は述べている。

たとえば先の世界大戦の原因として語られる陸軍悪玉論、海軍善玉論。

「海軍はアメリカと戦っても勝ち目はないと正論を言っていたのに、陸軍がそれに聞く耳をもたず暴走した」ということになっている。

こんなの真っ赤なウソだと述べている。

また、石原莞爾は満州事変を起こした張本人であり、日本を戦争に巻き込んだ悪玉の頭のような印象を持つ方が多い。

しかし、彼こそ軍事の天才であり、むしろ、アメリカとは決して戦うべきではないと主張していたと述べている。

著者の主張していることも、一つの歴史の見方ととらえるべきだろう。

とにかく歴史にはいろんな見方がある。

その意味で、それらを読み比べながら自分なりの見方を持つことが必要ではないだろうか。

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