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2013年11月11日 (月)

戦略参謀/稲田将人

Photo「組織というのは、組織図、つまり組織の箱をつくればいいというものではない。それこそ、ただの箱、『バケツ』だ。やるべきこと、やらせたいことを明確に定義して、何をやるかの具体的なところまで、その部門の責任者とイメージを合わせ、同意を得なければいけないはずだ」

本書は、紳士服チェーンの再建に挑むストーリーを通して戦略参謀とは何たるかを示したもの。

自分のやっている仕事柄、どうしてもこのような本を読む場合、人事制度に目がいってしまうのだが、この本の中でも一番印象に残ったのは、「組織とは何か」という点である。

企業とは人の集まりである。

では人が集まれば組織になるのかといえば、そう簡単にはいかない。

単に人が集まっただけの状態であれば、それは集団でしかない。

そして、集団のままであれば、企業は何もできない。

そこで集団を組織化することが必要になる。

各人の役割を与え、命令を一本化し、共通のルールを作り、コミュニケーションを活性化し、目指す方向性を明確にする。

つまり、一つの目標を目指してより機能的に一人ひとりが動けるような体制を作るのである。

組織も人事制度も、経営の意思を分業化のために制度に落とし込むものだ。

組織図は責任と報告の関係を描いた、ただの箱である。

また、トップが戦略を打ち出したとしても、そこにいる人々が、前向きなエネルギーを発揮して真剣に取り組まないかぎりは、ただの「絵に描いた餅」にすぎまない。

社内の方向性を合わせ、社員に前向きなエネルギーを発揮させることが、本来の人事機能の使命といえよう。

そして、マネジメントも含めて全社が同じ方向を向いて業務に取り組むために、方向性を明示するのはトップの役割であり、そしてそれを翻訳して、自らの言葉で語るのは、中間管理層の役目である。

組織図を書いてそれで終わってしまっている状態の企業は多く存在する。

その意味で、多くの企業の課題は「組織化」であるといえよう。

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