« あなたが知らない太平洋戦争の裏話/新名丈夫 | トップページ | 権威主義の正体/岡本浩一 »

2013年12月25日 (水)

1年で成果を出す P&G式10の習慣/杉浦里多

110  私がP&Gに入社してすぐに抱いたP&G社員の印象は、「金太郎飴みたい!」でした。
「金太郎飴」というと、やることなすことすべて一緒で面白みがないネガティブな表現に聞こえるかもしれません。
 しかし、私が「金太郎飴」と思ったのは、社員のアウトプットの質の高さについてです。
 社員が共通してもつ情熱、まじめさ、そして思考のプロセスはそのまま発言や行動(誰もが「目的は?」の質問をするetc)に反映されます。
 それにより、均質の、高いアウトプットが生まれます。
 また、思考のプロセスが標準化されたとはいっても、個性が均一化するわけではありません。むしろ、発揮できるのだと思います。

P&Gは、アメリカに本社を置く日用品雑貨メーカーで、売り上げは約7兆円、世界最大の消費財メーカーである。

売り上げが素晴らしいだけではない。

数字以上に特徴的なのは「社員能力1」の企業である、という点。

アメリカのビジネス雑誌「フォーチュン」で、P&Gは「社員の能力」で世界ランキング第一位(2008)に選ばれている。

また、GEやマイクロソフト、ディズニーなど、世界有名企業の幹部や社長の多くが、P&G出身者である。

いわば世界規模での、人材輩出企業といえる。

では、その秘訣は何か?

それは「型」にある、と言える。

この「型」は、「これさえやっておけば8割いける」成功法則で、成功の土台とも言える。

この「型」を身に付けることにより余計なことに費やす時間や労力をスルーし、より上位のことに頭や労力や時間を使うことができるようになる。

結果的に、最低限のルールに則りながら個性や能力を存分に発揮し、イノベーションを起こすことができる。

例えば、P&Gといえば、マーケティングの最高峰として名高く、MBAのケーススタディにもよく取り上げられる。

だから、複雑なマーケティングフレームがあるのだろう、と思われがちである。

しかしP&G内で、巷で使われるマーケティング用語を聞くことはほとんどない。

P&Gのマーケティングフレームは

1.目的と戦略の設定
2.取り巻く環境の分析
3.WHO(お客様理解)
4.WHAT(お客様に提供する価値)
5.HOW(お客様との関係づくり)

という、いたってシンプルなもの。

小難しい用語やフレームは一切なく、誰もが理解でき実践できる、「結果を出す」シンプルなエッセンスであるこの5つのステップに凝縮されている。

のシンプルな5ステップは、「実証・検証済みの、最強の成功法則」

175年間、180カ国で数多くのブランドを展開しているP&Gが成功も失敗も含め、徹底的に研究してきた、超シンプルだけど奥深い「結果を出す」エッセンス。

このシンプル化された成功のエッセンスが、成功の原理原則として定型化され、思考のプロセスとして標準化され、全世界で共有されている。

P&Gのマーケティングは、顧客の心を掴んで成果を出すことをスタンダード化しただけでなく、成果を出すまでの考え方が定型化・標準化されていて、全世界で共有されている。

世界中のP&Gの社員は、この「型」を習慣化するまで徹底的に実行し身に付ける。

これがこの企業の強さの秘訣である。

「型」というと、あまりいいイメージを持たない人が多い。

しかし、スポーツの世界でも芸術の世界でも、一流と言われる人はみんな「型」を持っている。

そして、その上で自分の独自性を生み出している。

「型」が身についているからこそ個性が際立つといっても良い。

「型」がいかに大事か、P&Gの成功がそれを実証している。

« あなたが知らない太平洋戦争の裏話/新名丈夫 | トップページ | 権威主義の正体/岡本浩一 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 1年で成果を出す P&G式10の習慣/杉浦里多:

« あなたが知らない太平洋戦争の裏話/新名丈夫 | トップページ | 権威主義の正体/岡本浩一 »