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2013年12月12日 (木)

理想的日本人/渡部昇一

Photo 考えてみれば、岸は命を張って生きてきた人だった。戦争中に東条に反対したのはまさに命懸けのことである。いまの政治家では考えられないほど腹が据わり、豪気さを持っていた。あれだけ勇気のある政治家はなかなかいない。
 それは明治の頃の良さを持っていたともいえる。斎藤隆夫が議会に行くときは、毎朝白い下着に着替え、いつ殺されても恥ずかしくないようにして出かけたというが、戦前の政治家はどこかに暗殺を覚悟する気構えを持っていた。

著者は日本文明の礎を築いた人物として12人を挙げている。

聖徳太子、織田信長、徳川家康、大久保利通、伊藤博文等は予想される名前だが、その中に岸信介を加えている。

岸信介と聞いて連想される言葉は、A級戦犯、60年安保という言葉である。

あまり人気のある政治家ではなかったという印象の人物である。

特に60年安保の時には、日本中から批判を浴びた。

にもかかわらず岸はこの法案を強行採決した。

しかし、もしあの時あの法案が通らなければ、日本はどうなっていたのだろう。

おそらくその後の池田勇人の所得倍増計画も高度成長期も平和な日本もなかっただろう。

その意味で、あの時の岸の決断は正しかったといえる。

その時は評価されなくても、後になって評価される政治家が優れた政治家である。

なぜなら、それだけ先見の明があったということだから。

今、安倍総理が特定秘密保護法を強行採決したからと言って批判を浴びている。

国会周辺では反対デモが繰り返されていた。

なんとなく60年安保の時とよく似ている。

しかし、どんなに批判を浴びようが、支持率が落ちようが、必要な法案を通すところは、岸とそっくりである。

隔世遺伝したのだろうか。

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