« 人間の叡智/佐藤優 | トップページ | 教科書には載っていない!戦前の日本/武田知弘 »

2013年12月22日 (日)

ハイエク 知識社会の自由主義/池田信夫

Photo だからイノベーションを高めるうえで、政府が積極的にできることは何もない。大手企業を「情報大航海プロジェクト」に集めてグーグルに対抗しようとしたり、政府が「ICT国際競争力会議」に財界の首脳を集めて旗を振ったりする産業政策は時代錯誤だ。情報通信産業は、製造業のように目的があらかじめ決まってはいないので、正しい目的を試行錯誤によって探り当てることがもっとも重要だからである。

現代のような不確実な世界を正しく予測していた、ほとんど唯一の経済学者として評価されているのが、ハイエクである。

彼は生涯を通じて、社会主義と新古典派経済学に共通する「合理主義」と「完全な知識」という前提を攻撃し続けた。

ハイエクは、人々は不完全な知識のもとで慣習に従って行動をすると考えた。

それは若いころからの彼の一貫した信念であり、社会主義やケインズ的な「計画主義」が全盛だった1930年代に、彼はほとんどたった一人で、その通念に挑戦した。

そして今、ハイエクが改めて注目されてきているという。

例えば今、イノベーションが課題となっている。

なぜ、日本ではアップルやグーグルのようなイノベーティブな企業が生まれないのか。
ハイエクの理論によると、この分野で政府が積極的にできることは何もない。

しかし、政府が消極的にやるべきことは山ほどある。

最大の役割は、ボトルネックをなくして参入を自由にすること。

とくに世界でもっともきびしい日本の著作権保護は、イノベーションを阻害している。
この他にも様々な規制がイノベーションを阻害している。

だからこのような規制を取っ払い、それによって偶然性がうまれる土壌を醸成すること。

イノベーションは偶然性という要素がどうしてもつきまとう。

人々が不完全な知識のもとで慣習に従って行動することと偶然性という要素が絡み合ってイノベーションが生まれる。

国が計画的にイノベーションを生み出すことなどできないということである。

« 人間の叡智/佐藤優 | トップページ | 教科書には載っていない!戦前の日本/武田知弘 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ハイエク 知識社会の自由主義/池田信夫:

« 人間の叡智/佐藤優 | トップページ | 教科書には載っていない!戦前の日本/武田知弘 »