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2014年1月30日 (木)

間違いだらけの対中国戦略/富坂聰

Photo 現在、日本が第一に考えなくてはならない視点は、中国の主張がいかに間違っているかをあげつらうことではない。確信的に攻めてくる相手をどう押しのけるかを考えることだ。日本から見た尖閣諸島問題をたとえるならば、深夜のタクシー乗り場で腕力自慢の荒くれ者が横入りをして自分が乗るはずだった車を奪おうとしているといった状況なのだ。
 タクシー1台と領土を比べるのは適当ではないと言われればそのとおりなのだが、便宜的なものなのでそこは無視してほしい。重要なのは深夜であるということ。そこには秩序を維持する警察の目が届きにくいのである。そうした状況下で、自分自身の生活を壊すことなく、同時に問題を上手く解決しなければならないとなれば、瞬時にプラスマイナスを計算しなければならない難しい問題だということがわかるだろう。

テレビにも度々登場する富坂氏の著書。

本書で著者が訴えているのは中国との戦いは宣伝戦であるということ。

特に、世界にどのようなメッセージを発信するかを考える必要があるということ。

過去の戦争を振り返ってみてもわかるように、宣伝力が戦争において勝敗を分ける大きな鍵となったケースは少なくない。

実際、日本のかつての敗戦も、中国の宣伝工作によって国際社会から孤立させられたことに始まっていたことは、いまでは広く認識されている事実である。

そして、今も、中国は安倍首相の靖国参拝を利用し、日本を孤立させようと世界に働きかけている。

日米同盟によってアメリカの庇護を求める日本に対し、中国は「日本はアメリカが守る価値のない国」という価値観を前面に押し出すことによって同盟を突き崩そうとしている。

このとき中国がアメリカ国民を説得する材料としてもち出してくるのが、「日本は自由と民主主義を体現する国ではなく、過去の戦争を心の底では反省していないファシストである」ということ。

つまり、日本はアメリカ国民が血を流してまで守る価値のない国であるということを知らしめようと宣伝戦を展開している。

日本も中国の宣伝戦に対して対抗措置を講じているのだが、重要なことは事実ではなく、国際社会がそれを信じる可能性があるかないか、である。

広い意味で、日本人のコミュニケーション能力が問われているということではないだろうか。

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