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2014年1月19日 (日)

小野田寛郎の終わらない戦い/戸井十月

Photo──靖国神社の一件はショックでした?
「あれで、すっかり嫌になりました。僕は生きて帰ってきたんだから、これから働けばいいわけでしょ。でも、一緒に闘って死んだ人間が沢山いるんですよね。そういう人たちは誰も報われていない。お見舞金は、僕が働いて得たんじゃなくて同情で頂いたお金。だから、死んでも報われていない人たちの所へ持ってゆくのが一番いいと、単純にそう思ったんです。それを、軍国主義復活への荷担だのなんだのと言われたら、やっぱり、そんな人間たちと一緒にはいられない」

小野田寛郎氏が一昨日亡くなられた。

情報将校として大東亜戦争に従軍し遊撃戦を展開、戦争終結から29年目にしてフィリピン・ルバング島から帰還を果たした。

1974年の事である。

その当時私は高校生だったが、その鋭い目つきと背筋をぴんと伸ばした凛とした姿が非常に印象に残っている。

その後、小野田はブラジルに移住する。

どうして日本を離れたのか?

そのことをインタビューで語っている。

日本に帰還した後、マスコミや世間の目から日一日と日本が嫌になったのだと。

小野田が帰国したその日から格好なニュースソースにメディアが群がり、その体験を面白おかしく書き、その想いを勝手に推量したり決めつけたりした。

例えば、帰国して病院に入院させられてから数日後、田中角栄首相の代理が百万円の見舞金を持って来た時の事。

そのことを宣伝したいのか、政府は記者会見までセッティングしてあった。

「その金を何に使うのか?」と訊いた記者に、「靖国神社に奉納します」と小野田は答える。

この、「靖国神社に奉納します」の発言が物議をかもすことになる。

「軍国主義に与する行為だ」という批難の手紙が山ほど送られ、政府から多額の補償金を内密に受け取っているから、そんな風に気前よく寄付できるのだなどという噂まで囁かれる。

「私は『軍人精神の権化』か『軍国主義の亡霊』かのどちらかに色分けされていた」と語っている。

小野田は日本がだんだんいやになってくる。

でもこの世間やマスコミの取り上げ方、今も全く変わっていない。

最近も安倍首相が靖国参拝すると「軍国主義の復活」とマスコミが喧伝する。

中国や韓国が言うのであればまだわかるのだが、日本のマスコミがそれを煽る。

まともではない。

これなど当時と全く変わっていない。

日本は未だに普通の国にすらなれていないのだということを痛感させられる。

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