« ドル崩壊! /三橋貴明 | トップページ | リブセンス<生きる意味>/上阪徹 »

2014年1月17日 (金)

チャイナ・ジャッジ/遠藤誉

Photo この時、薄熙来はすでに「聯動」の先頭に立って暴れていたので、「自分がいかに革命的であるか」を示すために、民衆の前で率先して父親に対して殴る蹴るの狼藉を働き、倒れた父親を足蹴にして薄一波の肋骨を3本も折ってしまう。
 当時は「親を告発できる者」が「真の革命心を持った者」として高く評価された。劉少奇を訴えた者の中にも劉少奇の娘がいたし、文革最後の段階で軍事クーデターを起こして毛沢東を倒そうとした林彪の陰謀も、その娘の裏切りによってばれている。
「真の革命精神を持った者は親をも裏切ることができる」とされていたのが当時の風潮だった。

本書では、薄熙来という男の生い立ちから、次々権力を握ってのし上がってゆく姿、そして妻・谷開来による、英国人ヘイウッド毒殺事件、そして転落するまでが克明にしるされている。

薄熙来は昨年、遼寧省時代の職務に絡んだ約2000万元の収賄罪と約500万元の横領罪、重慶市共産党委員会書記時代の職権乱用罪で起訴され、無期懲役が確定した。

薄熙来の半生を見ていると、正に権力志向の塊である。

様々な手段を講じてお金を手に入れ、それをもって関係者の買収を繰り返し、権力を握っていく。

その原点は、文革時代、紅衛兵だった時代にあったようだ。

文化大革命とは1966年から76年までの間、毛沢東が起こした無産階級革命で、人民大衆を巻き込み、高校生などの若者を中心とした「紅衛兵」が暴力的に破壊活動を行うことを許した政治運動である。

この時、紅衛兵の先頭を切って「聯動」というグループの中で暴れまくったのが薄熙来だった。

クラスメートの薄熙来に対する文革当時の評価は「心が狭く、横暴で誠実さがない」というものだった。

彼は「自分がいかに革命的であるか」を示すために、民衆の前で率先して父親に対して殴る蹴るという乱暴な振る舞いを働き、倒れた父親を足蹴にして肋骨を3本も折ってしまったという。

これが彼の原点であったように思える。

その後も彼のこの権力志向は全く変わらない。

中国では賄賂が社会の隅々まで行き渡っており、泥沼化している様が良くわかる本である。

この腐敗の構造、もはや完治不能といってよいのではないだろうか。

« ドル崩壊! /三橋貴明 | トップページ | リブセンス<生きる意味>/上阪徹 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: チャイナ・ジャッジ/遠藤誉:

« ドル崩壊! /三橋貴明 | トップページ | リブセンス<生きる意味>/上阪徹 »