アメリカの世界戦略に乗って、日本経済は大復活する!/中原圭介
世界経済の二極化が進む中で日本経済が復活するためには、日本はアメリカと強力なタッグを組むこと、すなわちアメリカの世界戦略に乗ることしか選択肢はありえません。幸い、アメリカが自らの世界戦略を達成するためには、日本の協力が必要不可欠となっています。その意味で、「軍事上の安全保障」「エネルギー安全保障」「経済上の安全保障(=TPP)」の3点セットは欠かせないものになります。
アメリカはシェールガス革命によって復活すると著者は主張する。
今のアメリカ経済は家計のバランスシート不況に苦しんでいる。
しかし、「シェールガス革命」と呼ばれる世界で最も安いエネルギーを手に入れたことで、アメリカが先進国の中でいちばん早く本格的に景気が回復する可能性が高まってきている。
現に、今年になってアメリカ経済がリーマンショック以前の状態にまで徐々に回復してきている。
出口戦略如何によってまだまだ予断を許さない状態が続くのは事実だが、概ねよい方向に向かって行っているのは確かなようだ。
何より、シェールガス革命のインパクトは大きい。
国際エネルギー機関(IEA)によれば、アメリカは2015年までに天然ガスでロシアを抜き、2017年までには原油でサウジアラビアを抜き、両方の資源の生産量で世界一になる見通しである。
留意すべきは、シェールガスの量産化ではアメリカが技術的に他国を凌駕していて圧倒的に有利な状況にある中で、シェールガスの生産量がまだ天然ガス全体の生産量の3割近くに達したにすぎないということ。
今後もシェールガスの生産における技術革新やインフラ整備が進み、産出量が飛躍的に伸びることは間違いない。
そうするとアメリカはもはやエネルギー資源を中東からの輸入に頼る必要がなくなる。
シェールガス革命は世界のエネルギーの勢力図を一変させるほどのインパクトがある。
そして日本もアメリカとよい関係を構築できればその恩恵にあずかることができるだろう。
しかし、それはアメリカのポチになれ、ということではない。
やはり、戦略的に関係を構築するしたたかさが必要になってくるのではないだろうか。
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