好きなことに、バカになる/細野秀雄
世の中、便利になりすぎたのではなく、いまだ便利が不足しているのです。科学の進歩が不完全で中途半端なのです。
不完全で中途半端だから、公害のような弊害も生まれてくる。そう考えれば、進歩の過程で発生する一部の弊害を拡大してとらえ、「便利はいけない」「科学は悪だ」と非難することが短絡的な見方であることが理解してもらえるはずです。それはむしろ、科学の発展の足を引っ張り、その進歩を中途半端なままにとどめててまう恐れさえあります。
「もう充分に便利になったのだから、もうこれ以上便利になる必要はない」という人がいる。
それに対して著者は、「今だ便利が不足している、だから問題が起こるのだ」と主張する。
つまり科学の発展が中途半端だから様々な問題が起こるのだと。
自動車事故が起こるのは、まだ自動車の発展が中途半端だから。
飛行機が事故で落ちるのは、まだ飛行機の発展が中途半端だから。
もし、自動車に乗るから事故が起こる、だったら自動車なんかいらない、と言ったらどうなるのか。
自動車に乗るという便利さを捨てることになる。
自動車に乗れないという新しい不便さを生み出すことになる。
今の原発の問題も、このような発想で考える必要があるのかもしれない。
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